WEB本の雑誌

5月8日(火)

 5月病なのかイマイチ気分がパッとしない。僕はこういうときには決まって『木曜日のボール』近藤篤著(NHK出版)を読む。

 この本は、近藤さんが世界各国で撮られたサッカーボールのある風景とそこで体験した短い文章が寄せられた本なのだが、サッカーの本質を見ぬく洞察力のある近藤さんはジンセイや人間の本質を見ぬく力も兼ね備えていて、また文章力も素晴らしい。その文書を読んだり、写真を眺めていると不思議と元気になってくるのだ。

 ただし残念ながらただいまこの本品切れ絶版扱いのようで、嗚呼、もし本の雑誌社に文庫があったら、いの一番に文庫化するのに…。あっ文庫といえば先日ジュンク堂書店池袋本店さんを訪れた際、新潮文庫在庫僅少フェアをやっていて、そこになんと我が妄想「サッカー本W杯」のチャンピオン本である『ぼくのプレミア・ライフ』ニック・ホーンビィが並べられているではないか。

 いやもうこういう出版状況だから品切れ絶版になるのは仕方ない。僕だって毎年そういうことを決断せざるえないし、出版だって経済だから採算に合わない商品はそうなるだろう。だから愚痴は言わず、ただ一言サッカーバカな人に伝えておきたい。『ぼくのプレミア・ライフ』を見かけたら、絶対買っておくべき! とりあえずすぐそこにいたサッカーバカの田口さんにも押し売りしておいた。

 営業は京王線の奥。八王子は三省堂さんがブックファーストさんになっている。ある書店さんが閉店し、別の書店さんが同じ場所で開店する、というのは結構よくあることなのだが、果たしてどういうカラクリがあるのだろうか。

 聖蹟桜ヶ丘のときわ書房さんでは、同じくサッカーバカの出版営業マンL社のNさんに遭遇。Nさんつい最近お子さんが生まれたばかりでとても幸せそう。しかしそのNさんに言われた言葉が胸に刺さる。

「杉江さん、俺、子供が出来るまで、杉江さん子煩悩で偉いなって思っていたけど、自分に子供が出来てみて見方がまったく変わったね。子供置いてサッカーに行くなんて信じられないな。俺なんてホームも我慢しているのに」

 その話を隣で聞いていたTさんが「で、杉江さんゴールデンウィークはどう過ごしていたんですか?」と鋭く聞いてきたが、まさかアウェー鹿島も含め、レッズ戦に3回行って、1日は一人実家に帰って旧友と麻雀してなんて正直に答えられない。「えっ? 子供の世話してましたよ」とお茶を濁し、退散する。

 うう、やっぱりダメオヤジかなぁ…。大きな声じゃいえないけれど、置いていく子供は二人だし、例え病気だったとしてもサッカー行ってるし。でもでも愛情は負けないと思うけどな。