WEB本の雑誌

5月10日(木)

朝、沢野さんの新刊『ありふれた思い出なんてないさ』の見本が出来あがりましたと、わざわざ新風舎の編集者Nさんが届けてくれる。こちらは、デーリー東北に連載されていた「四季の風」をまとめたものなのだが、沢野さんのイラストがカラーでたくさん入っており、素晴らしい。ありがとうございます。

ちなみにこの本の出版を記念して、青山ブックセンター自由ヶ丘店でサイン会とトークショーが行われるとか。(http://www.webdoku.jp/event/070519.html)ぜひ、どうぞ。

午後から営業開始。突風と雷雨なんて予報だったので、長い傘を持って出かけるが、とりあえず天気はもつ。

しかし書店さんの売上はひどいようで、4月のことは聞かないで! なんて飛ばせるものなら記憶を飛ばしたい様子。しかも5月は前年に『ハリーポッター』があったので、もはや話もするなという感じだ。

確か3月までも販売額は6ヵ月連続でマイナスで、本日お話したとあるベテラン書店員さんは「出版不況なんて騒いでいた頃は、まだ良かったね。とにかく酷い、何をしてもロクに反応がないし、売れるものが全然見つからない。なんかもう業界全体一回壊して、作り直すくらいしないとダメなんじゃないの」と絶望的な言葉を呟かれていた。

なるほど毎日書店店頭を廻っているけど、活気がないというか、「あの本が手に入らないのよ〜」なんて話はほとんど聞かなくなって久しい。○○が売れてる!なんて話もほとんど聞かないし、逆になんか売れてる本ない?と聞かれることばかり。何だか世の中の人が一斉に本から興味を失ってしまったのではないか。本屋大賞なんかでは、とてもリカバー出来ない状況で、いったい何をどうしたらいいんだろうか…。

そんななか『四万十川3 ムラに生きる<田辺竹治翁聞書>』永澤正好著(法政大学出版局)が出ていることに気づき、あわてて購入。3600円もする高額本だが、まるで日本昔話のような田辺竹治の狩りや暮らしの話に、僕はとても癒される、というか一番行ってみたい古き良き日本を旅しているような気分にさせてくれるので、この値段はまったく安いというものだ。

夜は、中井の伊野尾書店さんや往来堂さんと神宮球場へ。前日までの暖かさはどこへやらで、突然冷たい風が吹き出し、そして雨が横殴りで降って来るではないか。一応ヤクルトファンなのであるけれど、寒さには弱い人間でしきりに「帰ろうよ」と呟いてみたが、熱血ヤクルトファンのO出版のMさんが頑として受け付けてくれない。そりゃそうだろう。僕だってレッズ戦の途中で連れが帰ると言いだしたら、受け付けないどころか、蹴りをくれてやる。

 そんなわけで9回表まで見て(そこで3点目を横浜に入れられた)、暖かいものがある飲み屋へしけ込む。楽しかったけれど、ちょっとつらかった。