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5月13日(日)炎のサッカー日誌 2007.07 

 前夜遅くまで、妻はパートしているドラッグストアーの送別会で酒を飲み、子供ふたりに夕飯を食わしたり寝かし付けたのは僕だった。これは年に数回あるかないかの強気に出られる瞬間ではないか。ドラクエ用語でいう「ガンガンいこうぜ!」だ。というわけで、いち早く埼玉スタジアムに駆けつけようと思ったのだが、なんとその妻が朝になっても布団から出てくる気配がない。
もしや二日酔いか? と問いただすと布団から手だけ出してヒラヒラさせる。あっちに行けということらしい。「おい! オレはサッカーがあるんだぞ、昨日は子供の面倒みたぞ」そう呟くと、妻はガラガラの声で布団のなかで叫ぶ。「あんたいつも飲んでるでしょ、その間はいつも私が世話しているのよ」

 結局、妻が復活したのは、お昼。どうしてご飯が出来上がった頃にきっちり回復したのだろうか。まあ、そんな疑問はさておき、いざ埼玉スタジアムに出陣!と思ったら今度は、小学生の娘が足にまとわりついてくる。

「パパ、わたしもいく」

 およー、お前さぁ、今年になってから何度もサッカー行くか?って誘ってきたのに「いかない」ってつれない返事してきたじゃねーか。それがどうしてこの前半戦の山場であろう、ガンバ大阪戦になったらそんなことを言い出すんじゃ。今日はさぁ、気合いを入れて歌いまくり、選手を後押ししようと思っていたのに。

「でもさ、わたしが行くと負けないよ」

 そういえば娘を連れて行って負けたことがない。先日、敗北を期した川崎フロンターレ戦の後には観戦仲間のN出版Uさんがそのことを指摘し、「杉江さん、娘さん連れて来ないからですよ」と呟いていたのだ。

 うーむ、ならば観戦の邪魔にならないことを約束し、お守り代わりに娘を連れて行くしかなかろう。何せ今日は絶対負けられない試合なのだから。


<対 ガンバ大阪>

 キックオフと同時にワシントンが惜しいシュートを外したが、その後はガンバ大阪に攻められまくる。遠藤、二川の中盤で好きなようにボールを回され、前半17分には、闘莉王不在のDF陣のマークがズレ、フリーのバレーに決められる。これはゼロックススーパーカップの再現か。

そのとき抱っこしていた娘が歌い出す。
「うらーわれっず」
去年までは恥ずかしがって歌わなかったのに、今年は場所や仲間にも慣れたのか、夢中になってサッカーを観ているではないか。試合開始前にコールリーダーのKさんがペットボトルの水を撒いたのに激しく反応したり、もしや娘のなかで浦和レッズ魂が目覚めたのかもしれない。

 いったい何点獲られるのだろうと心配してしまったが、失点後は前線からプレッシャーをかけ、ケガから復活した相馬が、ガンバ大阪の穴である右サイドを果敢に突破し、チャンスを作る。攻めるレッズ、カウンターを狙うガンバ大阪というかたちで前半が終わる。

 後半開始早々、We are Redsコールが埼玉スタジアムにこだまし、僕らの気持ちが選手に乗りうつる。絶対負けられない。PKをワシントンが外すが、それでも僕らはあきらめない。そして右サイドでボールをキープした交代出場の長谷部から阿部にボールが繋がり、絶妙なクロスが、ゴール前に供給される。

 すると一瞬DFの視野から消えたワシントンが右足を差し出す。ボールはゴールネットを揺らし、いざ同点。こうなると負けられない、ではなく、勝ちたい。勝って首位に立ちたい。右腕に娘を抱っこしながら声を出すのは大変だけど、歌わずにはいられない。

★   ★   ★

 残念ながらこの日浦和レッズは勝つことができなかったが、後半の頑張りは素晴らしかった。娘を自転車の後ろに乗せて帰路に着く。

「ねえパパ。わたしが行くと負けないよね」

We are Reds!