WEB本の雑誌

7月9日(月)

 通勤読書は成田本店とわだ店の櫻井さんが上半期ベスト3本だぁーとファックスを送ってきてくれた『ランナー』あさのあつこ著(幻冬舎)。

 こちらの作品は担当編集のS君が、元・本の雑誌助っ人ということでゲラを送って来てくれていたので、そのゲラで読んでいたのだが、単行本になったので、改めて読みなおす。

 高校の陸上部に入った主人公・碧季と家族の物語だが、『バッテリー』よりも陰が濃く、読み進めるのがつらいシーンがいくつかある。また同じく陸上をテーマにした『一瞬の風になれ』佐藤多佳子著(講談社)や『風が強く吹いている』三浦しをん著(新潮社)の両著ともまったく違う陸上小説である。

 そして『バッテリー』(教育画劇、角川文庫)で野球を扱ったあさのさんがなぜ今度は陸上なのか、それも長距離走なのか? それが読みはじめたときの疑問だったのだが、読んでいる途中で、これはもしかして、走ること=生きることをかけたのではないかと思い、物語のなかの「走る」を「生きる」に置換して読み直すと、これが猛烈なメッセージ性をもつ小説だと気づかされる。特に同級生・久遠の言葉が、胸に響く。誤読かもしれないけれど……。

 昨日の朝日新聞書評欄で6月の新刊『本を読む兄、読まぬ兄』が紹介されたので、朝から電話注文の応対やらチラシ作成なぞでバタバタしてしまう。

 いつぞや同じコミック紹介欄で取り上げていただた『千利休』清原なつの著のように、版を重ねられるとうれしいのだが。というかこうやって注文に追われるのは本当に楽しい。