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1月18日(金)

通勤読書は『ワーキング・ホリデー』坂木司(文藝春秋)。元ヤンキーのホストのところに突然現れた息子と名乗る子供の一夏の交友録。夏休みの昼ドラにピッタリなのではなかろうか。というか、うちの娘に読ませたい。

読者の予想と少しずらしたところに話を展開させるその技が憎い。思わず埼京線のなかで泣きそうになってしまった。

恵比寿の有隣堂さんを訪問すると「THE BEST BOOKS OF THE YEAR 2007」なんてフェアが開催されたいた。こちらは有隣堂さんの店員さんだけでなく、出版社や取次店の人も参加し、2007年のオススメ本をPOPとともに展開。カラーコピーの小冊子が配られていたので、思わずゲット。

その脇を担当のKさんが忙しそう品だしで走っている。こういときは邪魔してはいけないと、挨拶だけしてお店を後にする。会社から「何をしてるんだ!」という声が聞こえて来そうだが、営業というのはそう簡単なものではないのである。

広尾に移動すると駅前の銀行から中山秀征が出てくるではないか。さすが広尾! 流水書房さんを訪問し、Tさんとお話。直木賞を受賞した『私の男』桜庭一樹(文藝春秋)にしっかり「直木賞受賞」の帯が付いて並べられているのを指摘すると、「ちょうど入って来たんですよ」とのこと。受賞から二日で並ぶということは、重版しておいて帯だけ巻き直すのだろうか。一度も経験がないのでわからないけれど、その日の営業は大変だろうな。

六本木、銀座と営業。

銀座の書店さんはフェアが面白い。
例えば私の大好きな教文館さんの階段正面のフェアは、「日本語っておもしろい ことばの不思議」で、これは『広辞苑』の発売に合わせて日本語関連の本を集めたもの。日頃棚に埋もれてしまうような本にこうやってスポットライトを当てられると発見がある。

それからブックファーストさんでは「あの作家の出身大学は」なんて文庫のフェアが組まれていたのだが、大沢在昌さんが慶応大学(中退)なんて知らなかった。

多くの書店員さんが指摘していることだが「お客さんにとって初めて目に付いたときが新刊」のとおり、こうやっていろいろな形で本が紹介されるのはうれしいし、楽しい。

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