4月13日(日) ぼくのJリーグ・ライフ 02
スタジアムは、22人のフットボーラーがゴールを目指し真剣勝負をする場である。あるときは戦場と例えられ、あるときは悲劇が起こる。選手やそれを見つめるサポーターも常にすべてを賭けて戦っているのである。だからこそスタジアムで涙に暮れることはあったとしても、笑いが起こることはほとんどない。
ところがこの日の埼玉スタジアムでは、試合開始前に爆笑が起きた。なぜなら対する鹿島アントラーズのサポーターが掲げようとした紙文字が、どうも「FUCK YOU REDS」と掲げたかったらしい直そうともがいているのが丸見えで、しかしどうすることもできない感もヒシヒシ伝わってくるのである。これを笑わずに何を笑えというのだろうか。できれば『Number』の表紙に使って欲しいくらいの衝撃的な絵であったし、おそらく今後、Jリーグ爆笑シーン・ベスト10というような企画があったら、ブッチ切りの1位間違いなし。
スタジアムでは何が起こるかわからない。だからこそぼくはスタジアムへ通うのだ。
そして試合も何が起こるかわからない。90分のうち、ほとんど鹿島アントラーズに攻められっぱなしであったのだが、我らが大将・福田正博の9番の意志を、ついに受け継いだ永井雄一郎が、2ゴールし、勝利してしまったではないか。
優勝を狙うチームにおいての優先順位は
1)良い内容で勝つこと
2)悪くても勝つこと
3)良い内容で負けること
4)悪い内容で負けること
であり、この日の浦和は2)に該当すると思うのだけれど、監督交代などによってゴタゴタしたチームにとって、勝利以上の良薬はない。とにもかくにもスタジアムで爆笑するという貴重な体験をした一日であった。