4月17日(木)
通勤読書は、『股旅フットボール』宇都宮徹壱(東方出版)。
休刊になってしまったサッカー雑誌「サッカーJ+」で連載されいたJ1から数えて4部リーグにあたる地域リーグを追った渾身のルポルタージュ。
グルージャ盛岡、V・ファーレン長崎、ファジアーノ岡山FC、ツエーゲン金沢、カマターレ讃岐、FC岐阜、FC Mi−OびわこKusatsu、FC町田ゼルビア、ノルブリッツ北海道FC、とかちフェアスカイ ジェネシスと、まるでサカつくのようなチーム名が並ぶが、そのまさにサカつくのリアル版である、地域リーグのチームを、その地域の特性や立ち位置などとともに紹介していく。
今やビッククラブなんて言われる我らが浦和レッズだって、元々は青年会議所が中心になって結成された「浦和にプロサッカー球団をつくろう会」が、本田に断られた末に、三菱とくっついて出来上がったチームなのだ。あの頃はJリーグへの参加が前提で始まったけれど、今はJリーグに入るのだって地域リーグで勝ち上がり、JFLにあがり、その先にJ2、J1があるのだから、その厳しさは大変なものだ、というか大変なものなんだ、とこの本が教えてくれた。そしてサッカーはサッカーバカによって支えられているということがよくわかる1冊。私ももっとサッカーバカにならなければならない。
池袋を訪問。リブロの矢部さんと次回の「坂の上のパルコ」の打ち合わせ。パルコ文化、J文学の次はサブカルを扱う予定。
ちなみに寝不足書店員続出帯の付いた堂場瞬一の文庫本がバカ売れしているとか。そういえば京都の山ちゃんから「堂場瞬一の鳴沢了にはまってます」ってメールが来ていたな。去年は今野敏が爆発し、今年はこの堂場瞬一の当たり年になるのだろう。警察小説のブームは終わらない。
その後ジュンク堂の田口さんのところを訪問すると「この間来た某作家さんが『どうしたら書店員さんに気に入られますかね?』って聞くのよ。ビックリしちゃった。『先生、そんなこと気にしないで好きなように書いてください』って答えたんだけどね」と話される。
この5年くらいの間に、書店員さんの立場は猛烈に上がったと思う。例えばこの日出た『東京バンドワゴン』小路幸也(集英社文庫)の文庫解説なんかも、書店員さんが書いていたりするのだ。昔だったら考えられなかったことだ。
しかし問題は立場があがっても、待遇や環境は変わらないどころか酷くなっていることで、どうせ持ち上げるならその辺も変えて行かなければならないのではないか。まあ、どうしたら変わるのか私にはわからないけれど……。
夜、某所にお呼ばれして酒を飲む。
ピエロだと思って場を盛り上げることに徹していたら、いつの間にか23時。我がギャンブル列車こと武蔵野線は終電が早いので、一足お先に帰ろうとしたら、主催者の人に「今日はタクシーチケットがありますのでもうちょっとどうぞ」と声をかけられる。
タクシーチケット?? そんなもん使い方もわからん。
というわけで、走って新宿駅に向かい、電車に乗って帰宅。