« 前のページ | 次のページ »

4月23日(水)

 通勤読書は『替天行道 北方水滸伝読本』(集英社文庫)。単行本の読本も読んでいるのだが、文庫化に際し、100頁以上も新たな原稿が収録されていると言われたら、買わないわけにはいかないだろう。その期待通り、吉川晃司との熱すぎる対談や、大沢在昌を司会に北方謙三と担当編集の山田裕樹さんが作家北方謙三の誕生から水滸伝完結まで語りあう座談会がとにかく面白い。こういう関係から素晴らしい作品が生み出されてくるのだ。

 続いていつまでも元気な北方さんとともに、もうひとり相変わらず元気な作家、我らが編集長椎名誠の『すすれ! 麺の甲子園』(新潮社)を読む。あまりにおかしくて電車のなかではとても読めない。肩を揺らし、必死にこらえるが、プッと吹き出してしまった。

 これは身内だから言うのではなく、長年椎名誠の本を読み続けた、いち読者として書くのだが、今年出ている『わしらは怪しい雑魚釣り隊』(マガジンマガジン)と『ニッポンありゃまあお祭り紀行』(カラット)と、それにこの『すすれ! 麺の甲子園』は、全盛期のパワーを彷彿させる、いやそれを越えるくらい面白いエッセイ&ノンフィクションである。

★    ★    ★

唐突に営業スイッチが入り、新横浜から東横線を駆け回る。

昨日の吉祥寺に続いて感じたのは、今、自由ヶ丘の書店さんが面白いということだ。「持ち出しじゃないかな」ととある書店員さんは呟いたけれど、そういう意気が売り場を支え、また良いお店を作っているのだ。出版社もやっぱり何か応えないといけないのでは……なんて考えつつ東横線に揺られる午後6時。

« 前のページ | 次のページ »