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10月29日(水)

夜の光
『夜の光』
坂木 司
新潮社
1,680円(税込)
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 通勤読書は、坂木司『夜の光』(新潮社)。

 作家が化ける、なんて表現をされることがあるけれど、そういう意味では『夜の光』で、坂木司は化けたのではなかろうか。なんだか今までの作品から殻を破り、とんでもない作品を生み出したような気がする。

 日常生活に生きにくさを感じる高校生4人が、それぞれの学校や家庭生活をスパイ活動と名付けつつ、天文部に集まってくる。この集まってくるというのが曲者で、群れるというほど強い関係を持つわけではない。ただそこにいるだけの4人なのであるが、意識化では間違いなく強いつながりを持っている。

 この関係性は私と書店員さんの関係にそっくりである。

 例えば本日訪問した立川のオリオン書房ノルテ店の白川さんとは、このノルテ店オープン以来の付き合いで、その後、本屋大賞実行委員会のメンバーとして一緒に活動もしているのである。だからといって友達というのは気が引ける。いやそれくらい濃い付き合いもしている自負はあるけれど、でも学生時代の友達のような感覚ではない。ならば単なる商売相手なのかといわれたらそんなことはない。それは白川さんに限ったことでなく、すべての書店員さんに当てはまる関係なのだが、それを言葉にするのが難しい。同士、仲間、なんだろう?

 そういうべったりまではいかない人間関係を描いた小説が『夜の光』で、ある意味これは坂木司版<ゾンビーズ>シリーズ(金城一紀『レボリューションNO3』など」になるのかもしれない。帯にある<絶対零度の青春小説>というのは、決して冷めているということを示すのではなく、おそらく冷たいものだって触ったときに猛烈な熱さ感じることを表現しているのではなかろうか。そう、そういう小説だ。


★   ★   ★

 調布、府中、立川、国立と営業するが、前半は休憩や社員旅行やお休みでほとんど担当者さんにお会いできず、このままじゃ会社に戻れないと泣きそうになっていたのだ、途中から形勢逆転、特に久しぶりの訪問となってしまった国立のM書店にてY店長さんとじっくりお話できたのは、うれしかった。

 ちなみに啓文堂書店では、「第2回おすすめ文庫大賞」の候補15作品が並べられていた。果たしてどの本が選ばれるのか楽しみである。

「啓文堂書店 第2回おすすめ文庫大賞候補作」

『ノ−ライフキング』いとうせいこう(河出文庫)
『夜市』恒川光太郎(角川ホラ−文庫)
『廃用身』久坂部羊(幻冬舎文庫)
『天使のナイフ』薬丸岳(講談社文庫)
『それでも、警官は微笑う』日明恩(講談社文庫)
『爆弾魔』大石直紀(光文社文庫)
『ハ−トブレイク・レストラン』松尾由美(光文社文庫)
『東京バンドワゴン』小路幸也(集英社文庫)
『きいろいゾウ』西加奈子(小学館文庫)
『Tengu』柴田哲孝(祥伝社文庫)
『ワ−キングガ−ル・ウォ−ズ』柴田よしき(新潮文庫)
『破弾』堂場瞬一(中公文庫)
『館島』東川篤哉 (創元推理文庫)
『午前三時のル−スタ−』垣根涼介(文春文庫)
『白戸修の事件簿』大倉崇裕(双葉文庫)

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