本の雑誌2009年8月　ヒトデ寝不足号　No.314 - 今月の本の雑誌

取次搬入：2009年7月8日
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花火も盆踊りもいいけれど、夏はやっぱり読書に限る！　というわけで、本の雑誌８月号はお待たせの2009年上半期ベスト１特集。昨年の12月から今年の６月までに出たエンターテインメントから、北上次郎が独断ぶっちぎりでベスト10を選ぶエンターテインメント・ベスト10に、吉野仁が国内・海外あわせて半年間のミステリー事情を振り返る「上半期ミステリー総括」、東えりか、高頭佐和子、熊さんの三人が勝手に命名して勝手に授賞する上半期特別三賞、そして読者が選ぶ至極の１冊まで、上半期の傑作大作面白本が勢ぞろいの大特集だ。ちなみにエンターテインメント・ベスト１に輝いたのは女性たちの日々を鮮やかに描いた傑作『○り○』！　さあ、読み逃し本のチェックを済ませたら、団扇にスイカに蚊取り線香を用意して、いざ、読書三昧の夏を満喫しよう！

　新刊めったくたガイドは、三橋曉がマイクル・コナリーの新シリーズ『リンカーン弁護士』を大推薦すれば、山崎まどかはリチャード・フラナガン『姿なきテロリスト』の膨大なノイズに飲み込まれて、おお、大変。大森望が『１Ｑ８４』を出血大サービスのＳＦ巨編だった！と見破れば、宇田川拓也は獅子宮敏彦『神国崩壊』の豪快な奇想に拍手喝采！　アライユキコが最強の２ちゃんねる小説"レワニワ"の誕生を寿げば、金子のぶおは片岡義男の写真集『名残りの東京』のオムライスを凝視。そして北上次郎は犬派必読のコミックとノンフィクションに大きい胸をちくんと痛めて、やっぱりオレは犬派だったと再認識！　あなたは犬派か猫派か、上半期ベスト10とめったくたガイドとじっくり読み比べて再認識してくれぃ！

　今月のゲストは辻村深月。読む前と後で二度と元の状態には戻れなくなるという、「以前」「以後」を決定した10冊の本とは何か。タケコプターで見えてくる景色のように、辻村版オールタイムベストテンをゆったりと読んでみよう。そして、今月は夏の特大号ならではの特別企画がてんこ盛り。熊本城一口城主の娘、元史蹟研究会、安土城愛男の城フェチ書店員３人が城と城本への愛を語る熱〜い城本攻防座談会に歴女もびっくりすれば、北村薫は丸善丸の内本店を昇ったり降りたりしつつ図書カード３万円分の買い物で、がっちり買いましょう！　大森望、豊崎由美のメッタ斬りコンビが直木賞をトントン相撲で予想すれば、吉田伸子は突発企画「食えばわかる！」で、山田詠美の小説の料理に挑戦！　おっと、忘れちゃいけない柴口育子の雑誌読み比べは、特別版の「休刊号を読む」だ。『ロードショー』から『谷根千』まで、独断と偏見で選んだ10誌をしんみり切なく総まくり！おお、明日は我が身になりませんように......特大号でちびっと高いが、中身はますますの大充実！　本の雑誌８月号をばしばし買ってばしばし読んでくれぇ！　

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