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2019年5月 サングラスどこまで号 No.431

 1979年の創刊から25年にわたり「噂の眞相」の編集兼発行人として権力を撃ち続けた岡留安則氏が亡くなった。というわけで、本の雑誌5月号の特集は「さらば、岡留安則!」。亀和田武、坪内祐三、目黒考二が岡留安則という人を語る追悼座談会から、「噂眞」の誌面を飾った被害者(?)5人と椎名誠による追悼メッセージ集、元「噂眞」編集部プレゼンツの岡留安則七大武勇伝に乙女派書店員による10代から「噂眞」を読んだ女子はどうなるかレポート、そして中森明夫の岡留安則モテモテ編集長論まで、「噂の眞相」が日本ジャーナリズムに果たした役割を検証しつつ、岡留安則にぐぐぃっと迫る追悼特集だ。さらば、そしてありがとう岡留さん! 

 新刊めったくたガイドは、小財満が上空数千メートルのタイムリミット・サスペンスにどきどきなら、林さかなはどんどん厚くおもしろくなっていく『ニックス』に大満足。大森望が日本SFエンタメ最高峰『天冥の標』の堂々完結を寿げば、千街晶之は『教室が、ひとりになるまで』の異能頭脳バトルに大興奮。大塚真祐子が作家と二人の女性をめぐる静かで途方もない作品に呆然となれば、仲野徹は信念の医師・和田耕治の物語『ペニスカッター』に得心。そして北上次郎は横山秀夫6年ぶりの長編『ノースライト』がすごい!と大興奮。むくむくと元気が出てくる、とおじさんが絶賛するテーマと後半の怒濤の展開を存分に堪能しよう!

 今月から、三角窓口でもおなじみ鈴木輝一郎の新連載「生き残れ!燃える作家年代記」がスタート。三十年作家稼業を続けてきた地方在住のおじさん作家が作家で生き残る方法を伝授する連載だ。乞うご期待。そして今月は、読者アンケート「私の平成ベスト1!」で一千万活字中毒者が平成の一冊を厳選すれば、藤脇邦夫が新しい女性読者を探せ!と提言。黒い昼食が出版社の格付けチェックをすれば、おじさん二人組がKADOKAWAのところざわサクラタウンの建設現場に潜入! さらに北原尚彦が横田順彌の10冊を緊急セレクト。小説家にして研究家の広くて深い足跡に迫るのだ。要チェック! さあ、時代も変われば中身も変わる。平成最後の本の雑誌ですみからすみまで平成に思いを馳せよう!

目次

本棚が見たい!

5月の書店 Bookプラザ文華堂/5月の本棚 松坂健
新旧いろいろ面白本/大西洋横断した二人は何を食べていたのか 椎名 誠
生き残れ!燃える作家年代記/はじめに 鈴木輝一郎
読者アンケート/私の平成ベスト1! 
黒い昼食会/出版社の格付けチェック!?

特集:さらば、岡留安則!

岡留安則追悼座談会/下半身に人格が宿る! 亀和田 武・坪内祐三・目黒考二 
岡留安則追悼メッセージ集 岩井志麻子/宮崎哲弥/石井和義/家田荘子/見城 徹/椎名 誠 
岡留安則七大武勇伝 
10代で「噂の眞相」を読んで私はこうなった!? 高頭佐和子 
岡留安則は「サブカル」=「いい加減」時代のモテモテ編集長なのだ!!中森明夫 

一私小説書きの日乗/堅忍の章(九) 西村賢太
新しい女性読者を探せ! ──「82年生まれ、キム・ジヨン」を中心に 藤脇邦夫
ユーカリの木の蔭で/カバーは世に連れ 北村 薫
おじさん二人組、ところざわサクラタウンに行く!  

新刊めったくたガイド

上空数千メートルのタイムリミット・サスペンスだ! 小財 満
どんどん厚くおもしろくなっていく『ニックス』に大満足! 林 さかな
日本SFエンタメ最高峰『天冥の標』堂々完結! 大森 望
『教室が、ひとりになるまで』の異能頭脳バトルに興奮! 千街晶之
作家と二人の女性をめぐる静かで途方もない作品 大塚真祐子
信念の医師・和田耕治の物語『ペニスカッター』 仲野 徹
元気がむくむくわいてくる『ノースライト』がすごい! 北上次郎

真保裕一の誘拐サスペンス『お前の罪を自白しろ』に拍手!  宇田川拓也
泣く子も黙る恩田陸登場! 内田 剛
「読んで良かった」本を絶版まで売り続ける! 坂上友紀
近未来アメリカのディストピアSF『声の物語』 山岸真
マンガ大賞一位のSFミステリ『彼方のアストラ』 岡部 愛
啄木歌集に出会える車専門系古本屋 小山力也
明治から縄文まで日本史をさかのぼる べつやくれい
「モノ・マガジン」渾身の1960年代特集 原カントくん

サバイバルな書物/狩猟者の世界観に切り込む腰抜かし本 服部文祥
私がロト7に当たるまで/未来の断捨離 宮田珠己
モーター文学のススメ/車とスキーの深い関係 速水健朗
マルジナリアでつかまえて/形あるもの変化する 山本貴光
坪内祐三の読書日記/野口冨士男と居作昌果の関係は? 坪内祐三
連続的SF話/古本屋の記憶 鏡 明
南の話/廃馬を連れて 青山 南
そばですよ/さくさくの天ぷら耕して、今日も声出していこう。 平松洋子
日本SF戦後出版史/『少年倶楽部名作選』の巻 高橋良平
「知ってるつもり」の幻想 円城 塔  
時代はまわる 江部拓弥 
困難な人々の声を聞き取る 石川美南 
米軍日本語将校たちの青春 風野春樹 
ホリイのゆるーく調査/『明暗』の結末を考えてみる 堀井憲一郎
神保町物語/酒と神保町 沢野ひとし
横田順彌の10冊/小説家・研究家の広くて深い足跡 北原尚彦

続・棒パン日常/誰を見たことがあるか自慢​ 穂村 弘 
三角窓口/レバーを回すと本が出る「本ガチャ」登場!? 他
今月の社食 橋本 恭 

今月書いた人
今月本の雑誌に遊びに来た人 
掲載図書索引
後記

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