担当=牧眞司

死者と生者の都ローマ、血の戦慄と欲望
2021年3月2日11:30

【今週はこれを読め! SF編】

死者と生者の都ローマ、血の戦慄と欲望
キム・ニューマン『ドラキュラのチャチャチャ』(アトリエサード)  ブラム・ストーカーの『ドラキュラ』をはじめ、小説・映画・コミック・実在のキャラクターやエピソー...
現実と記憶の不調和、組織がはらむ不条理を描く十二篇
2021年2月24日11:32

【今週はこれを読め! SF編】

現実と記憶の不調和、組織がはらむ不条理を描く十二篇
岡本俊弥『千の夢』(オンデマンド)  岡本俊弥はSF書評のベテランだが、創作のキャリアも長い。本書は四冊目の短篇集で、オンライン・マガジンに発表した十二篇を、改...
夏への扉はなくても、猫がいればあたたかい
2021年2月16日10:46

【今週はこれを読め! SF編】

夏への扉はなくても、猫がいればあたたかい
 芝村裕吏『統計外事態』(ハヤカワ文庫JA)  ハインライン『夏への扉』が猫SFだとしたら、この作品もまちがいなく猫SFだ。主人公の数宝数成(すうほうかずなり)...
独自のセンスで選んだ七篇、中国とアメリカの状況を照らしあう
2021年2月9日17:59

【今週はこれを読め! SF編】

独自のセンスで選んだ七篇、中国とアメリカの状況を照らしあう
柴田元幸・小島敬太編『中国・アメリカ 謎SF』(白水社)  非常に変わった成りたちのアンソロジー。SFでアンソロジーを編む場合は、年刊傑作選や作品傾向といったテ...
AIの本質と人間の情動
2021年2月2日11:30

【今週はこれを読め! SF編】

AIの本質と人間の情動
郝景芳『人之彼岸』(早川書房《新☆ハヤカワ・SFシリーズ》) 「折りたたみ北京」でヒューゴー賞短篇部門を受賞した郝景芳(ハオ・ジンファン)の第二短篇集。AIを題...
陰に隠れた幻想小説の水脈の発見
2021年1月26日19:57

【今週はこれを読め! SF編】

陰に隠れた幻想小説の水脈の発見
橋本勝雄編『19世紀イタリア怪奇幻想短篇集』(光文社古典新訳文庫)  イタリアの幻想小説と聞いてまず思いうかぶのは、イタロ・カルヴィーノ、ディーノ・ブッツァーテ...
羊羹を食べながら日本海軍を翻弄するオリオン太郎
2021年1月19日12:53

【今週はこれを読め! SF編】

羊羹を食べながら日本海軍を翻弄するオリオン太郎
林譲治『大日本帝国の銀河1』(ハヤカワ文庫JA) 『星系出雲の兵站』で、独特な宇宙人類史を描きだした林譲治の新シリーズ。こんかいも宇宙スケールの文明論が背景とな...
特殊な閉鎖環境のなか、「剃刀の刃のように細い線」をたどる叛乱
2021年1月11日15:19

【今週はこれを読め! SF編】

特殊な閉鎖環境のなか、「剃刀の刃のように細い線」をたどる叛乱
ピーター・ワッツ『6600万年の革命』(創元SF文庫)  非常にユニークな設定の閉鎖環境SF。中篇「6600万年の革命」と、その続篇にあたる短篇「ヒッチハイカー...
多様な傾向を集めつつ、懐かしい印象すら受ける間口の広いアンソロジー『2010年代海外SF傑作選』
2021年1月5日11:37

【今週はこれを読め! SF編】

多様な傾向を集めつつ、懐かしい印象すら受ける間口の広いアンソロジー『2010年代海外SF傑作選』
 もっとも新しい十年紀のSF傑作選。思わず身がまえてしまうが、心配はご無用。収録されている作家の人種・経歴・セクシャリティは多様で、作品の傾向もバラエティに富ん...
異質な他者とのつながりが照らしだす人間のありかた
2020年12月22日12:36

【今週はこれを読め! SF編】

異質な他者とのつながりが照らしだす人間のありかた
 韓国の現代SF。キム・チョヨプは1993年生まれ、大学院在学中の2017年にデビューした俊英だ。本書は七つの短篇を収録し、著者の「日本語版への序文」と「あとが...