担当=牧眞司

他者の記憶、自分の輪郭、宿痾もしくは恩寵としての共感
2018年11月20日12:17

【今週はこれを読め! SF編】

他者の記憶、自分の輪郭、宿痾もしくは恩寵としての共感
 第五回創元SF短編賞を受賞した「風牙」からはじまる連作集。風牙(ふうが)というのは作中に登場する犬(ラブラドール・レトリーバー)の名前である。しかし、実体があ...
ITによって変貌しゆくアクチャルな未来を描いた連作集
2018年11月13日17:28

【今週はこれを読め! SF編】

ITによって変貌しゆくアクチャルな未来を描いた連作集
 ITの発展、およびそれを取りまく文化によって、変わりゆく近未来を描く連作。作中で用いられるのは空想的な超テクノロジーではなく、いま現実にあるツールやメソッドで...
日本SFが生んだ奇書、得体の知れぬ迷宮的作品
2018年11月6日18:06

【今週はこれを読め! SF編】

日本SFが生んだ奇書、得体の知れぬ迷宮的作品
 吃驚! ドッキリしゃっくり! 飛浩隆がこんなゲテゲテな小説を書くとは!  いや、細部に目をこらせば、まぎれもなくこの作者ならではの筆致なのだ。端正な細工、精緻...
不吉な想像力を膨らませる語りの妙
2018年10月23日15:55

【今週はこれを読め! SF編】

不吉な想像力を膨らませる語りの妙
 作者ホワイトは、ポオとゆかりの深いボルティモアで教職のかたわら執筆をおこなった兼業作家。本格的に活躍したのは1910年代半ばからの二十年弱で、作品量でみれば歴...
星間宇宙船という完全密室、被害者も容疑者も探偵役も自分たち
2018年10月16日10:37

【今週はこれを読め! SF編】

星間宇宙船という完全密室、被害者も容疑者も探偵役も自分たち
 SFミステリ。航宙中の宇宙船は理想的な密室だ。外からは侵入できず、逃げてもいけない。まあSFだからと開き直り超常的あるいはガジェット的な要素を足して、その前提...
This could be heaven or this could be Hell
2018年10月9日17:35

【今週はこれを読め! SF編】

This could be heaven or this could be Hell
 レーナ・クルーンはフィンランドの現代作家。これまでかなりの作品が翻訳されており、そのほとんどが広義の幻想小説だった。本書ははっきりとSFに分類できる作品だが、...
来歴・由来をめぐるミステリと、惑星間・異種族間との外交問題
2018年10月2日12:44

【今週はこれを読め! SF編】

来歴・由来をめぐるミステリと、惑星間・異種族間との外交問題
 SF賞を総なめにした《叛逆航路》三部作とおなじ宇宙を舞台にした新作。人類世界の中核としてのラドチ圏の統治機構(絶対支配者を頂点とした封建社会)、および独自文化...
天才でマッドなお姉さんと、知性の普遍構造を解きあかす宇宙計算機
2018年9月25日12:34

【今週はこれを読め! SF編】

天才でマッドなお姉さんと、知性の普遍構造を解きあかす宇宙計算機
 第五回創元SF短編賞を受賞してデビューした高島雄哉の、これが最初の単行本。受賞作を表題として、その続篇ふたつを併録している。一篇ごとに完結しているが、内容は深...
じわじわ気になる(ほぼ)100字の書評
2018年9月18日14:12

【今週はこれを読め! SF編】

じわじわ気になる(ほぼ)100字の書評
黒っぽい表紙の四角い本がきてから 毎日がちょっとおかしい。 目に映る世界は同じなのに どこかズレている、なにか変わっている。 けれど、本がくる前の毎日が どんな...
ひとつの地形として横たわるだけ巨竜が作品世界を支配する
2018年9月11日17:37

【今週はこれを読め! SF編】

ひとつの地形として横たわるだけ巨竜が作品世界を支配する
《竜のグリオール》は1984年から断続的に発表されたシリーズで、つごう七篇を数える。本書はそのうち前半四篇を収録している。  作者シェパードは巻末の「作品に関す...