担当=牧眞司

場所が特定できぬ孤峰、スパゲッティコードとしての世界
2019年5月14日11:57

【今週はこれを読め! SF編】

場所が特定できぬ孤峰、スパゲッティコードとしての世界
 これは旅の物語であり、物語という旅である。地図はない。行ってみないと、その先がどうなっているかわからない。  なにしろ登場人物たちがめざす、イシュクト山(最後...
間近にあるディストピア、奪われた声をいかに取り戻すか
2019年5月7日12:08

【今週はこれを読め! SF編】

間近にあるディストピア、奪われた声をいかに取り戻すか
 舞台は近未来のアメリカ。いや、近未来というよりも、現代というべきだろう。ここに描かれた事態は、アメリカでまさに進行中の悪夢だ。保守化、パターナリズム、押しつけ...
天皇機関vs.粘菌機関 特撮映画のような痛快活劇
2019年4月23日16:41

【今週はこれを読め! SF編】

天皇機関vs.粘菌機関 特撮映画のような痛快活劇
 カバー袖の登場人物一覧が絢爛豪華だ。南方熊楠、福来友吉、江戸川乱歩、西村真琴、佐藤春夫、宮澤賢治、石原莞爾、北一輝、......。  南方熊楠は天衣無縫な言動...
大胆なSFの設定に、現代社会の問題を写しとる
2019年4月16日13:14

【今週はこれを読め! SF編】

大胆なSFの設定に、現代社会の問題を写しとる
 白水社の《エクス・リブリス》は、上質な海外文学を届けてくれる、小説読みにとっては慈雨のごとき叢書だ。そこに初めて収められたジャンルSFが本書である。七篇を収め...
はかない記憶と傷つく身体のエロティシズム
2019年4月9日10:38

【今週はこれを読め! SF編】

はかない記憶と傷つく身体のエロティシズム
 オリジナルアンソロジー『NOVA 5』に発表した短篇SF「愛は、こぼれるqの音色」と、書き下ろしの長篇ミステリ『密室回路』を対にして収めた一冊。物語はそれぞれ...
いつか卑徒(ひと)になる日まで
2019年4月2日12:07

【今週はこれを読め! SF編】

いつか卑徒(ひと)になる日まで
 酉島伝法のデビュー作「皆勤の徒」は衝撃だった。同作を巻頭に収めた同題の連作集は、第三十四回日本SF大賞を射止めた。選考委員ほぼ全員が一致しての受賞決定である。...
それでもなお、ひとは自由意志を希求する
2019年3月26日11:57

【今週はこれを読め! SF編】

それでもなお、ひとは自由意志を希求する
 ピーター・ワッツの長篇『ブライントサイト』の衝撃は忘れがたい。知性にとって意識は必然的なものではない。この大前提に、まず痺れた。そして、未知の宇宙知性と対峙す...
加藤清正や恐竜も復活、愛のありかたを描く感動作
2019年3月19日13:46

【今週はこれを読め! SF編】

加藤清正や恐竜も復活、愛のありかたを描く感動作
 映画化されたヒット作『黄泉がえり』の続篇。前作同様、死者がつぎつぎと生き返る"黄泉がえり"の顛末を描く。  日本SF界における「ロマンスの王様」梶尾さんの作品...
宇宙共通の原理としての進化
2019年3月12日12:22

【今週はこれを読め! SF編】

宇宙共通の原理としての進化
『天冥の標』がついに完結した。十巻構成だが、数冊がかりの巻もあるので本の数でいえば、全十七冊。足かけ十年にわたる執筆で、物語としては二十一世紀から二十九世紀まで...
ティプトリー風の表題作から中国伝奇アクションまで
2019年3月5日12:00

【今週はこれを読め! SF編】

ティプトリー風の表題作から中国伝奇アクションまで
 ケン・リュウ三冊目の日本オリジナル短篇集で、二十篇を収録。さまざまな傾向の作品を書きわける安定したストーリーテリングの作家だが、内戦や難民、差別、格差など現代...