ゆりかごで眠れ 垣根涼介(著) 【中央公論新社】 定価1890円(税込) ISBN-4120037177
まほろ駅前多田便利軒 三浦しをん(著) 【文藝春秋】 定価1680円(税込) ISBN-4163246703
ミス・ジャッジ 堂場駿一(著) 【実業之日本社】 定価1785円(税込) ISBN-4408534889
評価:★★★ 野球のピッチャーが表紙で、タイトルはミス・ジャッジとくれば、野球好きは黙っちゃいない。テレビ中継を見ながら「今のはストライクやろ」と、ついツッコミを入れてしまったり、WBCの疑惑判定に噴火した人は、日ごろの疑問を一刀両断にしてくれると期待するだろう。でも、中身はちょっと違った。 野球の醍醐味というよりは、男同士の確執の物語だった。ボストン・レッドソックスに移籍したばかりの投手・橘は、ヤンキースとの開幕戦で、誰が見てもストライクと思われる投球をボールと判定されるのだが、そのジャッジを下したのがメジャー初の日本人審判・竹本。高校時代からの先輩と後輩であるふたりの暗い過去は、何だか湿っぽい気分にさせる。 ただ、メジャーのベテラン審判・ハートマンの存在は渋かった。日本人俳優でいうと、いかりや長介がやりそうな役柄だ。「おめえさんはよ」とでもいいながら若者に苦言を呈しそうな雰囲気がぷんぷん漂っている。日本人同士の確執は横に置いといて、試合の臨場感と、メジャーを知り尽くした男の語りを全開にしてくれたら、野球好きの血が騒いだはずなのに。
トーキョー・プリズン 柳広司(著) 【角川書店】 定価1680円(税込) ISBN-4048736760
イラクサ アリス・マンロー(著) 【新潮社】 定価2520円(税込) ISBN-4105900536
ブダペスト シコ・ブアルキ(著) 【白水社】 定価2100円(税込) ISBN-4560027404
ページをめくれば ゼナ・ヘンダースン(著) 【河出書房新社】 定価1995円(税込) ISBN-4309621880