●担当者●HMV & BOOKS TOKYO 鈴木雅代

2016年4月21日更新

『という、はなし』吉田篤弘:著 フジモトマサル:イラスト

 フジモトマサルの絵に吉田篤弘の文章......大好きな作家同士の合作は、私にとってまるで夢のような作品である。 「読書の情景」を描くことを条件にフジモト氏が絵を描き、その絵を受け取って吉田氏が文を考... 記事を見る »
2016年3月17日更新

『手紙』ミハイル・シーシキン

「サーシャへ」「ワロージャへ」。  若い恋人同士の無邪気な手紙のやりとりで始まる物語。出征した青年ワロージャと故郷に残された恋人サーシャは、幼い日の思い出や、初めて結ばれた日のこと、一緒に居たときには... 記事を見る »
2016年2月17日更新

『坂の途中の家』角田光代

 角田光代のファンである。なので、毎回新刊が出るたび飛び上がるようにうれしい。けれど正直それだけではない。この人の小説を読むと、いつもいつもえっ、と驚かされる。どうして知ってるんだろう......なん... 記事を見る »
2016年1月21日更新

『圏外編集者』都築響一

 職業柄たまにお会いするけれど「編集者の仕事とは?」と問われると、はっきりとそれを知らない。  本書を読んでから、編集者とはなんぞや的な文献や下調べをしなくて良かったと思った。私の考えていた「編集者」... 記事を見る »
2015年12月17日更新

『みちづれ 短篇集モザイク1』三浦哲郎

 前の職場を去るとき、餞別にといただいた本が、とても素敵だったので紹介したい。  その本を私に、と選んでくれた方の気持ちがとてもうれしく、しかもとても好みだったので驚いてしまった。 三浦哲郎は『忍ぶ川... 記事を見る »
2015年11月19日更新

『ここは私たちのいない場所』白石一文

 読み終わったあとに、いったい何が書かれていたのかと思い返して、ぼうっとしてしまう。  白石一文の作品を読んだあとはいつもそう。  今作はとくに。 小さいころ幼い妹を亡くした経験を持つ芹澤は大手食品メ... 記事を見る »
2015年10月15日更新

『果てしのない本の話』岡本仁

 かつて『relax』という雑誌があったことを皆さん憶えているだろうか。  その世界観に憧れ、発売日を心待ちにしていた矢先、2006年の休刊の知らせに嘆いた人はたくさん居たことでしょう。  そのうちの... 記事を見る »
2015年9月17日更新

『黄金の服』佐藤泰志

 来年の夏、映画『オーバー・フェンス』(『黄金の服』収録)が公開されると聞いた。『海炭市叙景』『そこのみにて光輝く』に続いて佐藤泰志作品の映画化は3作目となる。 中学時代から作家を目指し、高校時代は青... 記事を見る »
2015年8月20日更新

『夢十夜・他二篇』夏目漱石

 ひとに夢の話を聞かされるのは、だれもがちょっと困るだろう。  たいていが意味がなくとりとめもなく、話す方聞く方どちらにとってもくだらないからだ。けれどやはりすごくヘンテコな夢を見た朝は、誰かに話した... 記事を見る »
2015年7月16日更新

『ぼくはこうやって詩を書いてきた 谷川俊太郎、詩と人生を語る』谷川俊太郎 山田馨

 日本で生きていると、自然と谷川さんの詩が日常にあることに気づく。  これは谷川さんの詩だ、と認識したのはずっと後からだったけれど。  再放送で『鉄腕アトム』を見て、「空をこえてー ららら 星のかなた... 記事を見る »
2015年6月18日更新

『鳩の撃退法』佐藤正午

 佐藤正午に傾倒している。  プライベートな時間さえフェアの選書に当てないと間に合わないくらい仕事が詰め詰めだが、どんな隙間でもさっと本を出して彼の作品を読んでいたい。電車に乗れば立ったまま寝れるくら... 記事を見る »
2015年5月21日更新

『名もなき人たちのテーブル』マイケル・オンダーチェ

 先日の第一回日本翻訳大賞の授賞式はとても素晴らしいものだった。  あまたに見られる『授賞式』特有の堅苦しさもお金の匂いも無く、名刺交換会の場にもならず、えらい人の有難いお言葉もない。本業でない司会者... 記事を見る »
HMV & BOOKS TOKYO 鈴木雅代
HMV & BOOKS TOKYO 鈴木雅代
(旧姓 天羽)
家具を作る仕事から職を換え書店員10年目(たぶん。)今は新しくできるお店の準備をしています。悩みは夢を3本立てくらい見てしまうこと。毎夜 宇宙人と闘ったり、芸能人から言い寄られたりと忙しい。近ごろは新たに開けても空けても本が出てくるダンボール箱の夢にうなされます。誰か見なく なる方法を教えてください。