●担当者●今野書店 松川智枝

2017年4月27日更新

『エコノミックス』マイケル・グッドウィン

 よくもまぁ何も知らずにこの年齢まで生きてこられたものだと、自分でも呆れる程経済に疎かったのが、ビジネス書を担当するようになって、この『エコノミックス』を読める程には成長したのであります。アダム・スミ... 記事を見る »
2017年3月23日更新

『ビビビ・ビ・バップ』奥泉光

 奥泉光先生の小説でどれが一番好きか? と問われることがあったとしたら、煩悶の末、『神器 軍艦「橿原」殺人事件』、いや『東京自叙伝』、いやいややっぱり『ノヴァーリスの引用』......と今までなら決め... 記事を見る »
2017年2月23日更新

『塹壕の戦争』タルディ

〈戦争反対〉とか〈世界平和〉とか声を大にして言うのはちょっと......と、今の日本に暮らしていると気恥ずかしささえ感じていましたが、昨今の世界情勢を見るに、恥ずかしいだなどと言っている場合ではないの... 記事を見る »
2017年1月26日更新

『破天の剣』

『破天の剣』を読んだ時、物語途中から涙腺は決壊し、何故今九州が全部鹿児島県ではないのか、何故私は鹿児島県人ではないのかと、歴史を呪い号泣。それ程島津四兄弟を日本最強の兄弟として、家久という人を魅力的に... 記事を見る »
2016年12月22日更新

『優しいライオン』小手鞠るい

 以前、好きだった作家さんのエッセイを読み、自分と相容れない思考回路にぶつかって、以後作品を読まなくなるというもったいないことになってからというもの、小説家の要らぬ情報は入れないで作品だけを読む方がい... 記事を見る »
2016年11月24日更新

『バベル九朔』万城目学

 夢野久作の『ドグラ・マグラ』の幻想ミステリワールドを、気が狂うかしらんという危惧を抱きつつ読み終わったと思いきや、ああ、冒頭に戻ってしまった......と初めから読み直し、更に3回目、はさすがに途中... 記事を見る »
2016年10月27日更新

『SUGAR ma vie de chat』セルジュ・バーケン

 うちには今、東日本大震災のあった年の夏、福島からやってきた黒猫がいます。病弱にも関わらず15年生きてくれた先代も黒猫だったので、約20年、黒猫と一緒に暮らしています。『SUGAR』は、わたしの黒猫に... 記事を見る »
2016年9月22日更新

『街道手帖』ジュリアン・グラック

 気楽には読めないエッセイです。  紀行的な部分はまだそこまで気を張ることもなく読めるのですが、文学評論的な部分は、ふわっと考え事でもしながら読もうものなら、何も入ってこなくなるような緊張感のある気品... 記事を見る »
2016年8月25日更新

『たそがれ清兵衛』藤沢周平

 先日放送されたドラマ『ふつうが一番』、藤沢周平の人生の一時期を切り取った大変面白い番組でした。〈ふつう〉かどうかは各々の考え方ですが、父がいて、その父が愛する母がいて、家族を力強く見守る祖母がいて、... 記事を見る »
2016年7月28日更新

『新版 軍艦武藏』手塚正己

 まずは吉村昭の『戦艦武蔵』という小説のことから始めなければなりません。吉村昭という作家は緻密な取材と淡々とした文体から、読んでいる間はノンフィクションのように感じるのですが、読み終えた後、小説だった... 記事を見る »
2016年6月23日更新

『アーサーとジョージ』ジュリアン・バーンズ

 ジュリアン・バーンズが好きです。ザッツ・イギリス人!的な皮肉と洒落に満ちたストーリーには、一杯食わされた、というかやられた〜という感じというか。現実と時間を消去するような読書が出来る作家の1人です。... 記事を見る »
2016年5月26日更新

『日夏耿之介の世界』井村君江

 大正から昭和にかけてのロマンチックでアバンギャルドな文壇ヘの憧憬は根強いものですが、私もその想いは強く、中でも憧れの的が、堀口大学と日夏耿之介の2人。  堀口大学、長期の外遊で身に備わったと思われる... 記事を見る »
今野書店 松川智枝
今野書店 松川智枝
最近本を読んでいると重量に手が震え、文字に焦点を合わすのに手を離してしまうようになってしまった1973年生まれ。それでも高くなる積ん読の山。