第11回 「ホストに洗脳された女性」を救済している専門家に話を聞いてきました(前編)
ホストクラブ新人研修で使われる「洗脳マニュアル」の内容
「ホストたちの『洗脳マニュアル』というのは、振り込み詐欺グループのマニュアルと同じでどんどん改良されていくものなんです。例えば、これまで女性に大金を払わせるのに10時間かけていたところ、3時間でそれができるようになったとするでしょ? そうするとこの手法を共有するためにマニュアルも書き換えられていく。どうすれば女性をタイパよく騙すことができるかということに特化して、どんどん悪質さを増していっているんですよ」
そのように私に熱弁を振るったのは、一般社団法人聖菩蓮新宿駆込寺の代表を務める玄秀盛さん。新宿・歌舞伎町で23年にわたり、青少年が巻き込まれた金銭・暴力のトラブルの相談や解決支援に尽力してきた人物で、メディアにもよく登場しているので、ご存知の方も多いことでしょう。
ホストクラブに関する相談が急増したことで玄さんは、2023年7月20日に「青少年を守る父母の連絡協議会(青母連)」を設立。ホストに貢ぐためのカネを稼ぐため、風俗店で働かせされたり、路上に立って売春をさせられたりという女性と、その家族の相談や救済支援に取り組んでいます。
今回、私はそんな「悪質ホスト問題」の第一人者に会って話を聞くことにしました。言うまでもなく、「ホスト」というのも立派な職業であり、真面目に働いている人がたくさんいる世界です。しかしその一方で、一部の「悪質ホスト」による色恋営業や、女性客にキャパシティを超えた大金を支払わせているという問題が存在しているのも事実であり、そこで女性客たちを操る術として「洗脳」という言葉が使われています。
「洗脳とは何か?」というテーマで取材を進めている私にとって、この「ホストによる洗脳」は避けて通ることはできません。
この問題が社会的に大きな注目を集めたのは2023年11月のことです。玄さんたちが、ホストクラブの新人研修で用いられている「洗脳マニュアル」の存在を突き止めて、それをマスコミが報道して大きな話題となり、国会質疑でも取り上げられました。
例えば、この「洗脳マニュアル」にはこんなことが書かれていました。
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「他店行く女の子って最低。それは担当(ホスト)も好きじゃなくなるよね」と姫(女性客)に言う
結果、地雷をさけるため、勝手に理想の女の子になる
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「地雷」というのは、ホストが怒ること。つまり、ほかの店に行くような不義理をしたら、ホストから嫌われてしまうぞ、と遠回しに「脅し」をかけていくことで、どこにも逃げないように縛り付けて、このホストだけにカネを費やす「理想の女性客」に育ていく。そんなノウハウが、「洗脳マニュアル」にはたくさん記されていました。
この時、メディアや専門家から指摘されていたのが、「旧統一教会やオウム真理教のマインドコントロールの手法とよく似ている」というものでした。高額献金にのめり込む信者と、ホストに大金を貢ぐ女性たちは同じ手法で操られているというのです。

「ホス狂い」は洗脳の影響か
そのような主張をさらに後押したのが、日本中を騒がせた「頂き女子」事件でした。
発端は20代の女性が男性3人から「親と縁を切るのに手切れ金が必要」などとうそを言って、計約1億5,000万円を現金をだまし取った詐欺事件です。ここまでならば「よくある話」ですが、世間の注目を集めたのは、なんとこの女性がSNS上で「1カ月1000万頂く頂き女子"りりちゃん"」を自称して、自身の騙しの手口をわかりやすくまとめた「みんなを稼がせるマニュアル」を販売していたことでした。実際、これを購入した女性も詐欺を働いていたこともわかり、報道は過熱しました。
しかし、話はそれで終わりません。実はこの「頂き女子りりちゃん」、新宿・歌舞伎町のホストクラブの飲食代やお気に入りのホストに貢ぐカネを捻出するため、詐欺を働いていたことがわかったのです。2024年春、拘置所で面会をしたマスコミ記者に対して、女性はこんなことを言っています。
「ウソだと分かっていても、ホストの『好きだよ』の言葉がうれしかった」
「それでも『ホス狂い』以外の生き方が分からなくて、担当に褒めてもらうこと以外に生きている意味が見いだせなくて、でもやめたくて......」
(読売新聞オンライン2024年4月22日 https://www.yomiuri.co.jp/national/20240422-OYT1T50133/)
「ホス狂い」とはホストにのめり込みすぎて、高額の現金を貢いだり風俗店で働き始めたりするなど破滅的な行動をする女性を指すスラングです。
このような話を聞くと、「頂き女子とか名乗ってノリノリで詐欺をやっていたくせに、捕まった途端にホストのせいってのは都合が良すぎるのでは?」と胡散臭く感じる人もいらっしゃるでしょう。
ただ、私からすれば、「頂き女子りりちゃん」の言葉にそれほど違和感はありません。むしろ、典型的な「ホス狂い」だと感じました。。
若い時から事件取材をしてきた関係もあって、夜の世界の人たちの話をよく聞く機会があり、「ホス狂い」の女性たちにも何人か話を聞いてきました。
「彼をナンバーワンにしてあげたい」という"応援型"の女性もいれば、「ホストを辞めて一緒に生きていくと言われている」という感じで、自分こそ「本命」と信じ込んでいる女性もいて、貢ぐ動機はさまざまでした。しかし、共通していることがひとつありました。
それは、意外と冷静に自分自身が破滅の道を転がり落ちていることを自覚しているということです。
例えば、風俗店で週5日働きながら、その稼ぎの大半をホストに貢いでいるという20代後半の女性に話を聞いたことがあります。彼女がタバコを吸っている時、長袖の袖口が下がって、手首に無数のリストカット跡が見えました。私の視線を感じた女性は袖口を伸ばし、自嘲気味に言いました。
「私のこと"こいつバカな女だな"とか思っているでしょ? でも、自分でもわかってんの。こんなことやっていても絶対に幸せになれないってことはわかってんの。でも、頼まれるとなんでもしてあげたくなっちゃうんだからしょうがないじゃん」
植木等さんの「スーダラ節」に「わかっちゃいるけど、やめられねぇ」という有名な歌詞がありますが、彼女も自分自身で愚かな行動だということはわかっているけれど、ホス狂いがやめられないというのです。これはまさしく「頂き女子りりちゃん」がマスコミ記者に訴えていたことと同じです。
なぜホス狂いは、自分の意志とは裏腹にホストに操られてしまうのでしょうか。これが「洗脳」や「マインドコントロール」というものなのでしょうか。
そこで、このような女性たちの救済に20年以上も取り組んできた玄代表に、「ホストによる洗脳」の実態を聞いてみようと思い立ったのです。
玄秀盛さんに聞く 「ホストによる洗脳」の実態
「まずホストの洗脳テクニックという話の以前に今、女の子たちから見てホストというのはどういう存在になのかということを理解しなくちゃいけない」
歌舞伎町で長くホストクラブの歴史を見てきた玄さんによれば、「昭和のホスト」というのはなによりも「話術やサービス精神」が大切だった。顔はそれほど2枚目ではなくとも、巧みな話術と、女性の心を癒すようなもてなし力のある者が、ナンバーワンホストとして成功した。
しかし、時代は流れて「令和のホスト」はとにかく大事なのは「美白でかっこいい顔」で、そのビジュアルを得るためには美容整形をやるべきだと変わってきたというのです。
「その代表がメディアなどでも活躍するカリスマホストですよ。彼らの中には自分の整形前の顔を公開して1000万円かけてあの顔になったと公言している者もいる。女性客にカネを払ってもらうためにはなんでもやる。そんなカリスマホストが"成功モデル"となっているので、そりゃ若いホストもみんな美容整形をしますよ。中には手術代を女性に払わせているようなホストもいます」
このような「話術からビジュアルへ」という大きな変化によって、若い女性たちのなかでホストというもの位置付けが大きく変わりました。それを一言で言えばこうなるそうです。
「つまりね、若い女性たちにとって今のホストというのは"会いに行けるアイドル"なんですよ」
これは非常に納得です。今、新宿歌舞伎町のいたるところホストクラブの看板を並んでいますが、そこでポーズを決めている男の子たちは、アイドルグループのメンバーにいてもおかしくない爽やかなビジュアルばかりです。かつて、お笑い芸人の狩野英孝さんが「ラーメン、つけ麺、僕イケメン」というネタやっていた時のような、白スーツに開襟シャツといういかにも"水商売"という雰囲気なホストは多くありません。
「ホストをアイドルと考えれば、そこでどんな洗脳が行われているのか理解できますよ。例えば、今もいるけれど、アイドルの追っかけをしている女性っているでしょ? 彼女たちは自分たちで稼いだお金で、飛行機や新幹線乗ってホテルに泊まって、コンサートに行って、いろんなグッズを買い集めます。あれもかなりお金をかけているじゃないですか。ステージ上にいるのを遠くから見たり、声援を送ったりしたりするだけの関係でも、これだけ熱中するわけでしょ」
「確かにそうですね......」
そう頷きながら私の脳裏には、この連載の担当編集者である近藤さんの顔が浮かんでいました。第1回で紹介していますが、近藤さんは"ヨッちゃん"こと野村義男さんの追っかけをウン十年続けてきた筋金入りの"追っかけ"です。 実はこの「洗脳企画」は、私と近藤さんで打ち合わせをしている時に「熱心なファンと洗脳された人と違いとは何なのか」という素朴な疑問から始まったものなのです。
「そういうファン心理を考えれば、ホストという"会いに行けるアイドル"にハマってしまった女の子がどうなってしまうのかというのは明白でしょ。アイドルと違って間には警備員とかもいない。超至近距離でなんなら触れ合うことができる。しかも、自分だけをかわいいなどと褒めてくれて、しかも手を握って耳元で甘い言葉を囁いてくれる。そりゃ"あなたのためならなんでもやります"となってしまう女性も出てきますよ」
「ホストによる洗脳」とはアイドルのファン心理を悪用している――。このような玄さんの説明を、近藤さんのような「推し活」をしている人々が聞いたらどう感じるのか、ということが気になりました。
以前、近藤さんと打ち合わせをしていた時、「アイドルの追っかけ」というのは基本的に「推しが幸せならば見返りを望まない」という"無償の愛"なので、ホストにのめり込んで破滅的な貢ぐような女性とは違うのではないかという話になり、「確かにそうか」と納得しましたものです。
しかし今回、玄さんのお話を伺っていると、「ホス狂い」の方にも「推しが幸せならば見返りを望まない」という"無償の愛"があるようにも感じます。恋人として独占できるわけでもなく、結婚の約束をしているわけでもないのに、担当がナンバーワンになるために大金を貢ぐなどして献身的に支えているように、見えなくもないからです。
これは果たして「愛」なのでしょうか。それともファン心理を巧みついて、「愛だと錯覚させている」だけなのでしょうか。

ホストを応援するマスコミの風潮
「しかも、問題なのはそういうホストの洗脳被害をマスコミが食い止めるどころか、煽って応援しているということですよ。テレビでよくやるホストを主人公にした恋愛ドラマを見てもわかるでしょ。そもそもこれだけ悪質ホストの問題があるのに、ホストを演じているのが、人気アイドルってどういうことですか」
確かに今、フジテレビで放映している『愛の、がっこう。』というドラマは、主人公のホストを人気アイドルグループ「Snow Man」のラウールさんが演じています。番組公式ホームページの説明ではドラマのコンセプトは以下のようです。
《まっすぐすぎる高校教師と夜の世界でNo.1を目指すホスト すれ違うことすらないはずの男女が織り成す、禁断なのに純愛な"愛"の物語》
ナンバーワンを目指すホストと恋に落ちるのは高校教師。しかも劇中の設定ではこの女性は「古い価値観を持つ家庭に育ち」「両親の言いなりに生きてきた」「恋愛面においては奥手」「こんなところから逃げ出したい」とうっすら思いながらも淡々とやり過ごす日々で、多くの女性が思い当たるような特徴があります。
「ああゆう美化した話を真に受けて、ドラマの中のホストよりもっと優しくて、もっとかっこよくて、もっと自分のことを思ってくれるホストがいると勘違いして、軽い気持ちでホストクラブの戸を叩いてしまう若い女性は本当に多い。もちろん、その中にはそのまま洗脳されて、風俗店で働くようになる。こんなもんテレビも共犯ですよ」
では、なぜテレビはこんなもホストの世界を美化するのでしょうか。某キー局でドラマ制作に携わっていた知人は、その疑問をこう解説してくれました。
「観たい人がいるからですよ。昔から反社会的な人々に憧れる層が一定数いるので、ヒットを狙うドラマや映画の制作者がそこを題材にするのは当たり前。最近ヒットしているものを見てもそうじゃないですか」
確かに、暴力団の抗争を描いたVシネ作品「日本統一」のシリーズは10周年を迎えて、地上波にも放映。"任侠女子"なるファンも生んでいます。また、イケメン俳優が多数出演して大ヒットした映画「東京リベンジャーズ」は、死者も出た暴走族「関東連合」をモチーフにしています。裏社会を描いたドラマ「闇金ウシジマくん」も未だ根強い人気があります。
「ホストドラマも同じですよ。イケメンを画面にたくさん出せますし、昔から悪っぽくて陰のある男性に惹かれる女性は一定数いる。現実のホストクラブで破滅したり、風俗に沈められたりする人がいるのは気の毒ですが、ホストドラマを制作している側はあくまでフィクションなので、そこに対して罪悪感はゼロですよ」
被害女性の救出で大事なのは絶対に責めないこと
「ホストによる洗脳」と呼ばれるものの全体像がなんとなく見えてきましたが、そうなると次なる疑問は「洗脳されてしまった女性」をどう救い出していくのかということです。
「まず親など周囲の人間がやらなくてはいけないのが一切、カネを渡さない。少しでもカネがあると、ホストクラブに行ってしまう。そして大事なのが、絶対に責めない」
「それはなぜですか?」
「相手のホストが悪いとか、そんな男に騙されてと責めてしまうと親が"敵"になるやん。そうなると家出をしたり音信不通になったりして、助けられるものも助けられなくなる。だから絶対に責めない。かといって、認めない。このバランスが非常に難しい」
この話は私の中では非常に納得しました。旧統一教会の信者のいわゆる「拉致監禁問題」がまさにそのような形で、親子同士を「敵」にして、何十年も続く遺恨となっているからです。
1960年代から、旧統一教会の信者を脱会させようと、一部の親たちが「脱会屋」と呼ばれる人々やキリスト教の牧師の協力のもと、自分の子どもを大人数でいきなり拉致をして、マンションの一室などに閉じ込め、「棄教」するまで外に一歩も出さないということを繰り返していました。このような「強制改宗」が旧統一教会側の調査では4300件以上も発生したそうです。
これによって教団から離れた人もいましたが、一方で12年間監禁をされても脱会を拒否した人や、監禁部屋から自力で逃亡したり、警察に逃げ込んだ人もいました。
そんな「拉致監禁問題」が引き起こしたのは、親子関係の深刻な断絶です。
かつて拉致監禁をされた経験のある旧統一教会信者は、その複雑な心境を吐露してくれました。
「自分が最も信じている親から裏切られて、監禁された時の絶望は今も忘れられません。親からすれば私のためにやってくれたことでしょうが、なぜ力ずくで信仰を捨てさせようと思ったのか。自分の子どもが心から信じているものなのだから、応援できないにしても、少しでも理解をして欲しかった」
実はこの拉致監禁をきっかけに、親子間の信頼関係が壊れてしう、という問題が多発しました。何十年を経過してもいまだに親子間に「わだかまり」があるという人たちがたくさんいます。
「ホストに洗脳された女性」に対する玄さんのたちの対応方針では、このような「悲劇」を防げるのではないかという気がしました。
「姫」のアフターケアまでビジネスライクにマニュアル化
ただ、このような形で家族や周囲の人間が「洗脳」を解こうと必死の努力を続けても、ホストと別れさせることは非常に難しく、成功するにしても「最低でも5年はかかる」(玄さん)そうです。
「ホストの連中は法律などをよく知っていてそれを逆手にとる。例えば、大金を貢いだ娘に親が相手を連れてこいと言ったら、ホストは逃げずにちゃんと家に行く。そして、"僕たちは真剣に付き合ってます"とか"結婚も考えてます"とかいけしゃあしゃあと言うのよ。つまり、男女交際をしていて女性の方が彼氏に自主的に貢いでいるという形にする。これなら法的にはなんの問題もない。店側も2人の交際を応援しているだけなのでなんの責任も負わなくていい」
「でも、そうやって女性を騙し続けることができても、貢がせ続けているいつか女性側も限界がきますよね」
「うん、大金を貢いでいる女性というのはだいたい精神が崩壊してしまうから、睡眠不足になってリストカットなどを繰り返すよね。そうなってしまうとホストとしては"商品価値がなくなった"と判断する。風俗で働かせても手首にたくさん傷があるような女性は怖がられて、どんどん客が減っていくから稼げなくなってくる。そうしたらどうすると思う?」
「いろいろな理屈をつけて別れようとするとかですか?」
「いや、そんなことをしたら死なれたり、逆恨みされたりして面倒なことになるやん。そこで新人ホストに下げ渡す。後輩からすればとにかく女性客が欲しいから喜んで、慰めたり相談に乗ったりするでしょ。下げ渡した先輩ホストからすれば、おかしな行動をしないように監視もできる。そういうのも全部、マニュアル化されている」
なんとも気分の悪い手口を聞きながら、私は30年前のある事件を思い出していました。大学生の時、一緒に遊んでいた後輩のなかに、長身で細身、笑顔が人なつっこい男がいました。街で若い女性を見かけると、すぐに追いかけてナンパするようなこの後輩はいつしか、女性を風俗店に斡旋する「スカウト」のバイトを始めるようになりました。
久しぶりにキャンパスに会った時、近況を聞いたら「何人もの女性に貢がせているんですよ」」と自慢気に話をしていました。
私はどうせ大袈裟に話を盛っているのだろうと思って、「刺されないように気をつけなよ」などと冗談半分で返していました。しかし、ほどなくして、それが現実になってしまいました。
この後輩、路上で女性にメッタ刺しにされて亡くなってしまったのです。事件を扱った週刊誌の記事を読んで、犯人の女性は彼が斡旋した風俗嬢であることを知りました。
女性を精神的に支配して、風俗店などで働かせながら金を貢がせるという手法は昭和から、いやそれ以前の遥か昔から存在しています。江戸時代にも貧しい女性をさらったり、騙ししたりして遊女にすることでカネを稼ぐ「女衒」と呼ばれる人々がいました。
そういう女性を食い物にする男たちは当然、この後輩のように「報い」を受けることがありました。しかし、同じく女性を食い物にしているにもかかわらず、令和のホストにはそんな裏稼業的なイメージはありません。
いかに効率よく大金を払わせられるかというマニュアルも整備され、心身ともに食い尽くされた女性たちが「報復」をしないようなアフターケアまでマニュアル化されています。
非常に恐ろしく、悪質だと感じる一方で、果たしてこれが「洗脳」や「マインドコントロール」なのかという疑問も浮かびました。
先ほど申し上げたように、女性を騙して支配下において、搾取をするというのは近代以前からも存在しており、その手法がマニュアル化されたことで、「やる気と覚悟さえあれば誰でも女性からカネを引っ張れる」という形で「標準化」されているだけのような気もするのです。
この疑問を解消するため、さらに「ホストによる洗脳」について詳しい専門家に話を聞いてみたいと思います。(後編に続く)