第7回 特別編 座談会 焼酎割り飲料は東京のローカル文化だ!〈後編〉

4.炭酸のビンの値段

Q)プレンソーダのビンの原価はいくらなんでしょう?

寺)皆さん高いと驚くんですけれども、いくらすると思いますか? 今、200mlのビンを普通に買うと、53円くらいじゃないかな。

神)運賃や税金を加えると、結局60円近くなります。高いものですよ。

Q)ということは、ビンが戻ってこなかったら大変ですね? プレンソーダ自体が値段の安いものですし。

神)大損ですよ。

寺)卸値が安いですから。下町では、本当に、聞いていて涙が出てきちゃうくらい安いんです。それでビンが戻ってこなかったら、商売にならないですよ。昔からお付き合いのあるところには、保証金なんかもらわないですし。

神)保証金もらったって10円ですから。

寺)業務店さんと酒屋さんでは卸値がちがいます。下町と山の手ですと、だいたい10円ちがうんじゃないかな。

神)詳しくは商売なので言えません。

寺)うちはたとえば、業務店さん(飲食店)だと40円から50円で卸していますが、下町だとよくて20円台でしょうね。30円超えるのはなかなかないでしょう。

神)うちは、はける数の少ない飲食店で大体30円くらい。

寺)山の手の安い業務店さんが35円ですから、そこで下町と山の手には差がついている。うちでは酒屋さんが大体25円くらい、酒屋さんが業務店さんに卸す値段は45円から50円です。何せ安いものなので、そうしなきゃ経費がつながらない。

神)だからね、変な商売ですよ。

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