1月24日(木)
重版があがり、直木賞受賞作2点が、やっと書店店頭に並び出す。ついでにどこのお店でも品切れしていた『指輪物語』の1巻目もチラホラ見かけ、これでやっと書店さんも勝負できるというものか。あれば売れるのに、その本がないというのはとてもツライことでしょう。
書店員さんの嫌いな言葉ベスト5に必ず入るであろう言葉で『減数』あるいは『調整』という言葉がある。これは、出版社へ注文した部数が、現実に納品になる際に減らされることで、例えば50冊の注文に対して納品数が20冊であったり、もっとひどいときは5冊であったり。出版社の現在庫あるいは増刷部数に対してあまりに多くの注文が一気に集まったとき、このような方法が取られることが多い。
出版社側から「減数」や「調整」を見てみると、ようは本の注文には返品が付きもので、それを頭に入れて出荷規制をかけないと返品率があがる一方になってしまう恐れがあるのだ。だからついつい過剰供給よりも過少な供給に向かっていってしまうのはある意味仕方ない。注文部数=実質売上数でないところがこの業界の在庫管理の難しくしている。
ところがところが、現実に書店さんの店頭ではその売れ行き良好書がノドから手が出るほど欲しい。10冊入荷したところで、そんなものは3日で売り切れてしまう。しかし本当に売れていても、出版社が全書店の実数を掴んでいるわけではなく、十把一絡げに減数されたのではたまったものではない。というわけで書店さん側は自己防衛手段として「減数」を見越して、50冊注文で20冊しか入らないなら、100冊と書けばせめて半分の50冊は納品されるだろうと、裏読みの注文を出していたりする。
こうなるとこの業界を駆けめぐる注文部数というのが、虚実ない交ぜになったもうとんでもない数字にならざる得ない。とある大手書店さんでは自社在庫数をネット上でオープン化し、透明な仕入を見せてくれていて助かるが、これは今のところ有料なので全出版社が見られるわけではないし、また別の書店さんでは、一書店員さんの労力として、各注文書に向こう1ヶ月間の週間売上部数をFAX用紙に記入していたりもする。しかし悪しき習慣はいまだなくならず、書店さんの現場では、赤く注文部数に訂正を入れられた短冊が散開している。
うーん…。
注文数が信じられない業界って他にあるのだろうか?と思わず今日、考えてしまった。