2月20日(水)
忘れ物の王様になってしまった。携帯電話、名刺入れ、そしてベルト…。おかげで会社からの急な連絡は一切取れないし(なかったけれど)、初対面の書店員さんに定期入れから名刺を差し出さなければならないし、ズボンはズリズリずり落ちてしまうという最悪な一日。これは恥なので静かに黙っていようかと思っていたところ、事務の浜田にあっけなく指摘され、全ての失態を露呈されてしまう。
「あれ?杉江さん。背、縮みました? なんだか今日は、ズボン引きずってますよ!」 どうして浜田は大事な連絡をすっかり失念するくせに、こういうことは気づくのだろうか。そしてその後「梱包用のビニールひもがありますから、それでどうですか?」だと。僕は古新聞と一緒か!
ズボンが落ちないよう気をつけながら中央線を営業。立川、国立、吉祥寺、西荻窪、荻窪と乗降を繰り返す。中央線は一駅ごとに町の色があって面白い。けれど、僕はなんとなくその主張に馴染めず、キョロキョロしてしまう。
西荻窪のK書店Kさんはいつ訪問しても仕入に出かけていてなかなか会えない。深夜プラス1の浅沼さん同様、中小取次の集まっている神田村へ買い出しに行っているのだ。東京の書店さんはまだこのようにして自家仕入がいくらかできるから良いけれど地方の書店さんは本当に大変だろうと思う。
荻窪駅を歩いているとどこかで見かけた人とすれ違う。お互い何となく顔を見つめたまますれ違ったが、あとあと思い出してみると会社の隣のファミリーマートで働いているパートのおばさんだった。
B書店さんでも担当者に会えず、残念無念。しかし、目黒顧問に頼まれていた料理本を発見し、やっと手に入れることが出来た。この料理本、数日前に目黒から頼まれ、その時ちょうど訪問していた大型書店さんで探したが、見つけられなかった本なのだ。それが町の書店さんであっけなくシリーズごと手に入るあたりが、本屋さん廻りの面白さだろう。
カラー本5冊はかなり重く、ちょうど夕暮れだったから、鞄を肩に食い込ませつつ、そのまま会社に戻った。