6月14日(金)
「まさか大阪に出張じゃないですよね?」という書店さんからの電話が何本か入る。いやはや、さすがに幸運に恵まれここまで日本代表戦2試合は見たものの、3戦全部ゲットするほどの運はない。それほど恐ろしい強運に恵まれてしまっては、この後の人生すべて落ち目下がり目になりそうで、そっちの方が恐い。
午前中に仕事を済ませるため、渋谷のK書店さんへ直納に向かう。渋谷の街中にはすでにブルーのユニフォームを着込んだ若者が溢れており、TV観戦出来る飲み屋を探しているようだ。
その逆に書店さんは、どちらのお店に行っても閑古鳥。僕も10年近く営業をやっているが、こんなにガラガラな売場を見たことはない。「もう今日は完全にあきらめてます、いや6月はアウトです」とため息交じりのあきらめ顔で話される。
午後2時に会社へ戻り、2階のテレビを設置する。本の雑誌社では通常テレビを見る習慣がないので、埃の固まりがくっついたテレビ本体を倉庫の奥から引っぱり出すしかない。買ってきたアンテナを取り付けてみるが、あんまり映りが良くない。まあ、仕方ない。
3時を過ぎると、続々と2階に人が集まる。事務の浜田、経理の小林、助っ人の中川。それに椎名事務所の面々も降りて来て、なぜか4年前に卒業していった元助っ人ノブ君までやってくるではないか。
「サラリーマンのくせに、お前はいったい何をしているのか?」と問いただすと
「こんなときに働いている場合ではないと早退してきたんですよ、ここなら絶対杉江さんが見ていると思って…。予想通りでしたけど」と笑われる。
こういうのも教育の賜というのだろうかと考えていると君が代が聞こえて来て、その後は試合開始のホイッスルとともに悲鳴、絶叫、歓喜。あまりにうるさ過ぎて、W杯なんて関係なく働いている編集部から苦情を頂く始末。
それにしてもW杯の決勝トーナメント進出の扉をこじ開けたのが、森島であり、その森島は日本のプロサッカーリーグ2部(J2)の選手なのだ。このJの底力がある限り、日本代表の未来も明るいだろう。