WEB本の雑誌

10月17日(木)

 7月に入った助っ人学生の歓迎会が遅れに遅れ今日新宿の海森で行われた。こういう時だけやたらに出席率が良いというのもどうかと思うが、元・助っ人数名も駆けつけてくれ、総勢23名の大所帯。小さな海森から人があふれそうな状態だった。

 僕はどうも風邪と顎の調子が悪く、とても騒げるような状況でなかったので、静かに酒を飲もうと考えていた。ところが助っ人達が集まるテーブルで、出版について大きな声で論じられているのを耳にし、我慢が出来ずにじり寄ってしまった。

 助っ人学生のなかには来春から出版社や書店への就職が決まっている者もいて、またこれから出版業界へ就職活動をする学生もいる。それぞれがそれぞれの想いで出版について語りあっていた。

「○○書店は本に愛がない」
「出版業界はなぜ変わろうとしないのか」

 そのどれもこれもが一面的で、これでも10年近くに渡ってこの業界内で生きている僕にとって、わかっていないと思えることだった。話を聞いているうちに、つい声を荒らげて「いや、違う。それはこうで、これはこうだからこうなるんだ」と説明しても、学生達はそれを踏まえた上での理想であり、それを言えるのが僕ら若者の特権なんですと鋭い反論をされてしまう。

 これはもうどれだけ時間があっても噛み合うことのない議論でしかなく、ただただその考えを就職して5年後にまた聞かせてくれ、あるいは仕事で結果を見せてくれとしか言えなくなってしまった。

 それにしても学生に対して諭し、ある意味、説教のようなことを垂れている自分は何者なんだ? 昔はこういうわかったようなことを話す大人が大嫌いだったんじゃないのか? 

 でも、今の僕にはこれしかできない。学生達と同調して、ただただアレが悪い、これがダメなんて言って自分の力を過信した理想郷はもう話せないし、その言葉を笑って受け入れるのも苦しいところ。他の社員のように、まったく違うテーブルに座っていれば良かったのだ…。

 非常に情けなさとやるせなさを感じた夜だった。