WEB本の雑誌

10月22日(火)

 本日廻った書店さんの声。
「売りてぇ~!!!」

 さすがにこれだけ注目を集め、大量部数の新刊となった『ハリーポッター 炎のゴブレット』。取次店さんもかなりしっかりとした計画搬入しているようで、昨夜あるいは今日という流れで、都内の書店さんに入荷しているようだ。本日訪問した書店さんのバックヤードには、山積みというか、ダンボールの壁。その輸送ダンボール1箱8セット。思わず指折り数えてしまうアホな営業がここに一名。

 しかし、もちろん発売日の協定が強く結ばれているので、明日23日午前5時まで売ることは出来ない。爆発的に売れる本を前に、冒頭の声が書店員さんから漏れている。いやはや、気持ちはわかりますが今回だけは辞めておいた方が身のためですよ、と思わず多く出回るであろう調査員を頭に浮かべ、はやる書店さんを押しとどめる。

 それにしてもスゴイ。
 僕、思わず営業マンとして計算してしまいました。静山社の売上を…。
 僕の電卓の限界値に限りなく近づき、想像を超えるあまりの凄さに呆然とし、そして思考停止。こういう無駄なことはやめた方がいいということに気づくが、指は勝手に動いていて、正味(取引の掛け率)や印刷経費や宣伝費などを計算してしまう。ああ、トンデモナイ利益じゃないか。

 昔とある出版社の営業マンに言われたことを思い出す。
「本がヒットしたときはね、出版社というのはお金を刷っているのと一緒なんですよ。右から左に流れていって、左からお金が入ってくる。もうスゴイことになるんですよ」

 そんな幸せを経験したことがない僕には想像がつかない。でもまさに僕の机上の計算のハリーポッターがスゴイことになっているのはわかる。ナハハハ……。