WEB本の雑誌

10月21日(月)

 初の出張に向かう話を先週書いた。

 発行人浜本は、この機とばかりにたくさんの書店を訪問させようとし、しかしそれと反比例して金をケチる話をする。同調して松村は姉の家に泊まれと無茶をいい、金子は実家の両親を見てきてくれと。

 あの記述以来、多くの人の優しさにふれた。もちろん本の雑誌以外の人々に。

 今夏異動によって今では編集者になったミステリー版元T社の元営業マンIさんから、まるで自分の部下に教えるかのような、名古屋の書店営業のルートと担当者の詳しいメールを頂いた。そうなのだ、僕は名古屋の書店さんの場所も人もまったく知らず、どこをどう廻っていいのか見当も付かずにいたのだ。これがなければ、名古屋の駅で呆然と立ちつくしていただろう。ありがとうございます。

 そしてビジネス版元D社のKさんは、同じ日同じ飲み会に参加するとのことで、面倒をみてくれると電話してきてくれた。僕はその飲み会の誘いを受けていながら、出張したことがない身であり、その書店さんと直接の面識がない。このKさんの言葉に正直胸をなで下ろした。

 トドメは京都の専門出版社、化学同人の営業Yさんである。この連載を読んでその感想のメールを頂き、それ以来Yさんが東京に出張してきたときは酒を酌み交わしていた。今回、出張の話を書いたらすぐに連絡をくれ、なんと「うちに泊まれば」と信じられない優しい言葉を頂いたのである。

 そもそも、名古屋に行くことが決まり、その後、どうせだったら翌日大阪に行ってこようと考えていた。チビ会社の宿泊費も1泊が限度のようだ。ところが、浜本にそのルートの話したら「京都がない!」と反論されてしまった。いや、僕だって京都に顔を出せないのは……と考えていたが、時間的に限界なのだ。

 そこへYさんのお言葉である。これに甘えさえて頂ければ、大阪を廻った夜、京都へ向かい、翌日その京都を廻って東京に戻れるのだ。有り難い、有り難いとすっかりYさんに甘えることにして浜本と二人、深く感謝。もちろんIさんやKさんにも感謝。

 いろんな人にお世話になり、迷惑をかけまくっている出張は、今週水曜日23日水曜日の出発である。
 そこで気づいてしまった。なんと『ハリーポッター』4巻目の発売日ではないか。都内の書店さんでもその近くは訪問しないでね!と忠告されている日である。ああ、初の出張が……。

 いや、挫けてはいけない。出張当日、我が浦和レッズはアウェーで鹿島と優勝を争う天王山を闘うのだ。僕もアウェーで頑張るしかない。いざ!出陣だぁ。