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11月4日(月) 炎のサッカー日誌 ナビスコカップ決勝スペシャル

 眠れない。ひつじを何匹数えても眠れない。

 いつもだったら子供を寝かしつけると同時に堪えきれず自分も深い眠りに落ちていくものなのだが、今日はまったくその睡魔がやってこない。明日は早朝4時起きで始発電車に乗り込み、国立競技場に駆けつける予定だから、出来れば早く眠りたい。でも一向に眠れない。

 いや眠れるわけがない。浦和レッズを応援しつづけ、かれこれ10年。その間いつも我が浦和レッズは低迷し、J創設時期は片手で数えられるほどしか勝つことが出来ず、Jリーグのお荷物なんて悪口も言われ、その後J2落ちの苦渋も味わった。そんなオンボロチームのレッズがついに明日、ナビスコカップの決勝のピッチに立つのである。こんな日に眠れるわけがない。

 布団に潜り込んで、監督でもないのにゲームプランを考えてしまう。鍵はサイドの争い。山田とアウグスト、平川と名良橋の対面勝負に、その空いたスペースを誰が埋めるかなんてことを延々考えてしまう。そしてその思考の行き着く先は、優勝カップを堂々と掲げる大将・福田の歓喜の姿である。ああ、一度でいいからそれが見たい。

 ほとんど眠れずそのまま4時を迎え、あまりの寒さに震えつつ完全防寒姿で駅へと向かう。プラットホームに降りてビックリしたのは、同好の士の多さ。なんとこの日、武蔵野線東浦和駅で始発を待っていたのは、ほとんどがレッズサポであった。さすがにレプリカは着込んでないけれど、どこかに赤が入った服装をしていて、レッズの旗を手にした人ばかり。結局、その後、埼京線、中央線各駅停車と乗り継いで行ったのだが、乗り込んでくる多くがレッズサポであった。

 千駄ヶ谷駅にたどり着いてもっと驚く。この時点で国立競技場代々木門から伸びたレッズサポ自由席の列が、なんと駅の目の前に辿り着いているではないか。その間東京体育館をぐるりと一周しているから(もしかしたら2周かも…)いったいこの行列を直線にしたら何百メートルになるかなんてことはとても見当がつかない。とにかく長年国立競技場に通っているけれど、ここまでの行列は初めて目にする光景だ。

 行列の上空でモクモクうごめいている想念はたったひとつ。数時間後の爆裂な歓喜。真っ赤が飛び上がり、そして涙する優勝あるのみだ。

 僕もそれだけを考え、先に来ていた観戦仲間KさんやOさんに合流した。

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 その後のことは、テレビや新聞で報道された通りである。

 何かうまいことを書きたいと思うけれど、とてもそんな気分じゃない。もちろん冷静になんかなれない。

 僕は試合終了15分前から涙が溢れ、それでも必死に声を出し、レッズコールを送り続けた。
 とにかく我が浦和レッズは02年ナビスコカップ決勝で負けた。

 J2落ちのときの悲しみとはまったく異質で、でも同じくらい大きな悲しみを受けた。傷つくことの多いレッズサポは、また新しい傷を負ってしまった。

 その夜、久しぶりに、ひとりになりたくないと思った。