11月19日(火)
午前中、新潟から書店員さんが来社。
本来は僕が出張してお店に顔を出すべきなのに、逆に毎年訪問頂き、尚かつ新潟の書店情報などを教えてくれる。非常に有り難い。
その書店員さんのお店は本とCDを扱っているお店で、実はこのふたつの商品、商取引がかなり違うのだ。基本的に、本は委託商品(返品可)でCDは買い切り(返品不可)になっているし、正味(卸し値)も約10%ほどCDが低いらしい。
ならばお店にとってどちらの方がいいのか?尋ねると、即答で返される。
「そりゃCDみたいに分かりやすい方がいいですよ、300枚頼んだらきちんと300枚入ってきて、それを売るための努力をすれば良いんですから。本の場合100部欲しいのに500部って書いてそれでも50部しか来ないとかざらですからね。CDには、だいたい月に3,4回発売日っていうのがあって、その日に出るものが一覧になってくるんです。1ヶ月半前にはほとんどわかる。そのリストを見ながら過去の実績やお店の傾向を考えて、バァーっと仕入数を入れていくわけです。」
それで返品に対しての恐れはないのか?
「何%って返品枠はあるんですけど、まあそれはそれで仕入で勝負してるって感じですかね。あと時限再販ですから、最悪のときは値引きして売るっていう手もありますし」
何だかCDのシステムの方がベストではないにしてもベターな気がしてくる。出版業界がこれだけどうにもならなくなっている原因のひとつは返品の問題が大きいからだ。何でそれがこちらの業界で出来ないのか。
「僕もそうだったらいいなと思うことがあるんですけど、とにかくアイテム数(新刊の種類)が多すぎますね。CDは1回の発売日で、300~400アイテムなんですけど、本だったら1日でそれくらい新刊が出てますから、書店員が全部チェックするなんて無理ですよね。発売日ギリギリになるまで出るのか出ないのかわからないし」
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今年の初め、再販制度についての見直しが行われ、昨年末辺りは出版業界もその答えに恐れを抱いていた。しかしフタを空けてみれば、ほとんど今までと変わりなくの、灰色の決断が下され胸をなで下ろしたのだ。
僕自身は再販問題よりも、委託配本制度と取引格差をどうにかした方がいいと思うのだが、どうもそういった議論はあまり起きていないようだ。いや、こういうことを誰がどこで議論して決めていくのかもわからない。
このままで良い…とは、ほとんどの出版業界人が思っていない。しかし、自分たちが血を流して変えるほど、出版社・取次・書店とも体力がなくなってしまった。「座して死を待つ出版業界」。誰が言ったのか忘れてしまったが、その通りの気がしないでもない。