WEB本の雑誌

11月26日(火)

 総武線千葉方面を営業。

 多くの書店さんで「やっぱり11月は売上が悪い」と聞く。『ハリーポッター』の大きな落とし穴があったのか、どうも文芸書はポッカリ穴に落ちたような下降線。確かに各店ベスト10を見ても売上を引っ張っていくようなものもなく、日野原先生ブームも日本語ブームも下火になってしまった感がある。

 閑散とした新刊平台を呆然と眺めつつ、売れ方の変化を考える。

 かつて文芸書はある程度作家名で売れていた。○○さんの本は△△部、□□さんの本は××部とある程度数字が読めたし、そういう売れ行きを示すからこそ「ベストセラー作家」という肩書きがあった。

 それが今では作家名に関係なく、旬な作品だけが売れていく。○○さんの本だから売れるのではなく、たまたまその作家が書いた本が話題になっているから売れていくというような感じだ。こういうのは例えを出すとわかりやすいのだが、出すと問題が起こりそうなのでちょっと控える。ただ数年前にベストセラーになった小説を想い浮かべ、その作家がその後出した本がベストセラーになったか?と考えればわかるだろう。

 結局ベストセラー作家というのはほとんど存在しなくなり、言葉は悪いが(決して作品の質のことではない)売れ方を見ていると「1発屋」ばかりになってしまっている。

 本が著者という縦の軸で売れなくなってしまった。だから既刊書も売れない。かつてなら○○さんの本がベストセラーになったら、その作家が今まで書いた作品も一緒に売れていた。そういう興味の持ち方をしている読者が多かった。しかし今はその作家への興味が続かない。次に買う本は、また話題になっている別の作家の本である。

 これでは出版社も本の作りようがないし、書店さんも発注しようがない。もちろんデータを基本にした配本もうまくいかない。前に○○さんは10万部売れたから今度も同じようにと配本したら、目も当てられない返品率になるだろう。

 こういう時代が続けば、作家という職業は成り立たなくなるのではないか。例え一度は売れたとしてもそれが続かなければ仕事はなくなる。出版不況とやたらに騒ぐが、作家の生活にまでその話は及ぶことはない。果たして、文章を書くだけで生活していける作家はどれだけいるのだろうか?

 流行廃りは昔からあった。しかしそれがあまりに加速してしまって、出版社も書店さんもとても追いつかない。

 ああ、話が大きくなりすぎてしまった。ただ、売場の現象として、本が縦に売れなくなったことを伝えたかっただけなのだが、結局、僕も何だかわからないということ。まとまりもなく今日は終わる。