WEB本の雑誌

12月4日(水)

 金子の忙しさを笑っている場合でなく、僕も大変な状況なのだ。『おすすめ文庫王国』の営業がギリギリとなり、また1月発売の『これもおとこのじんせいだ! 第2集』の営業も年末年始休みのため急がなくてはならない。カレンダーを見つめつつ、営業日数を指折り数えると、顔面蒼白。こうなったら無茶な営業をするしかないと朝イチで会社を飛び出し、京王線&中央線の営業に向かった。

 下高井戸のK書店Aさんを訪問。「最近面白い本ないですか?」と何気なく聞くといきなり「よこしま」と言われ驚く。どうしてまだ数回した会ったことがないのに、僕がよこしまな人間だとばれたのか? えっ…と焦りつつ、後方に2歩ほど引いてしまった。

 ところがAさん、そんな僕の慌てぶりとは関係なく、とある棚へ向かうではないか。その棚、1段にグリーンの本がドーンと面陳されていて、手書きのポップが添えられていた。

『よこしまくん』 大森裕子 (偕成社)

 ヤングアダルトというのか大人向け絵本というのかよくわからないが、いわゆる「かわいらしい」本である。よこしまのシャツを着た不思議な動物(フェレット)がちょっと怒ったような顔して左手を挙げている表紙。その主人公よこしまくんの、よこしまな考え(行動)がイラストになっている。

 Aさんはペラペラページをめくりながら、
「どこか自分に思い当たるところがあるんですよ、ほらこれ私」と言って、朝なかなか布団から出られない「よこしまくん」を見せる。

 確かに言われてみれば自分に似た「よこしまくん」がいて、僕の場合、それはほとんどのページの「よこしまな行動」が当てはまる。重度のよこしまがばれそうなので、結構面白いですね…と誤魔化しつつ購入。

 Aさんの話によるとK書店チェーンの何軒かのお店で同じように担当者が気に入り、ただいまドーンと展開しているとか。『よこしまくん』は出版物としては幸せだ。でもきっとこいつ素直にありがとうなんて言わないだろうなと考えつつ、何度も何度もページをめくってしまった。