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7月12日(土)

 朝8時に家を飛び出し、埼スタへ。

 一部の狂人以外誰も信じてくれないけれど、こんなに早くから行って試合開始は夜の7時だ。
 それまで約11時間もあるのだが、日影のまったくない競技場の脇にレジャーシートを敷いて、酒を飲んだり、タオルを顔に眠ったり、本を読んだりし、とにかくどうにか時をやり過ごし、キックオフを待つしかない。いったいサッカーを観るためにこんなに待つ世界があるというんだ? いや、ここは世界のサッカーの中心<浦和>だから仕方ないか。

 しかしその苦労の分だけ報われればまだ幸せなのだが、この日のレッズはDFラインでボールを右から左へ動かし、なるべく相手ゴールからほど遠いところでサッカーをしようというとんでもないプレーをするではないか。たまに相手ゴールに近づくと、こりゃまずいとばかりにあわてて後ろへ戻しやがり、その後はあっちこっちでポストプレー。いつまで経ってもボールはセンタライン上に張り付いたままで、誰かが突然思い出したようにシュートを試みるが、なるべくゴールの枠とは一向に関係ないところへ向かって蹴るのがお約束。

 ああ、こうなってしまったらこれはサッカー観戦という苦行でしかない。
 いやはや、酷い。とにかく醜い。とても11時間も待って観戦するようなサッカーではないし、正直いえば金を貰っても見たくないサッカーだ。

 その結果、同じように酷いサッカーをしていたFC東京の、教科書どおりのコーナーキックにやられ0対1の敗退が決まる。

 おーい、レッズの選手達よ!
 この11時間+2時間の間に僕が失った家族からの信用を返してくれ!!
 こっちは、2歳半の娘の前でわざわざ一度スーツを着て「パパは会社だからね!」と嘘を付いて別れて来たんだぞ。おまけにその嘘をついているとき妻に「パパの仕事って何なんだろうね?」と嫌味まで言われてさ。もし今日サッカーがなければ、その娘をプールにいれて、幸せな家庭を演じられたというのにだ。

 自転車に乗り、誰も僕を必要としていない家へ帰る。
 「バカ!バカ!バカ!」と叫びながら自転車を漕いでいたら、通常20分かかる道のりを15分で走破してしまう。早く帰りたくなんかないのに…。ああ。