2月17日(木)
『千利休』は相変わらず確変中。注文が止まらない。
これでは23日出来の重版分もほとんど会社に滞在しないままなくなってしまうのではないかと焦り、重版部数を上乗せしようと思ったがまたもやときすでに遅し。思わず営業中の小田急線から多摩川に飛び込みそうになってしまった。
売れて落ちこむ…なんて他の業種の人にはまったく理解不能なことだと思われるが、出版業界には恐怖の「返品」があるわけで、注文=実売ではないのだ。だからどこまでこの集まっている注文をそのまま信じて刷って良いのかわからないのだ。
おまけにどれだけの人が買おうと思っているかなんてわからないから、いきなりピタッと売れ行きが止まったりして、いやはやここ数日は、真っ暗な部屋で仕事をしている気分。それでも本の雑誌社は一応「買い切り」出版社なので、むやみやたらな見込み発注が来ない分、楽なのだが…。
数日前に書いた本が来ないという小さな書店さんの言葉をひもといていっても、結局いつも返品の問題にぶち当たる。書店さんはとにかく並べたい、出版社はロスを減らしたい。うーん、どうしたらいいんでしょうか?
返品といえば、『ハリーポッター』だけど、僕が見ている感じでは、小さな書店さんではそれほど残っていない。なぜなら小さな書店さんは売り逃すことにも売れ筋本がないことにも慣れているから、身の丈にあった注文しかしていないのだ。もちろん支払いのことだって切実だし。
ただやはり、大手書店さんの仕入れには山積みなっているし、店頭をいつまでも占領されている中規模書店さんも多い。何だかこのハリーポッターの残り方に、次なる取引方法への教材が隠れている気がするのだけれど、どうだろうか?
うーん、うーん、そんなデカイことを考えている場合でなく、手元にある『千利休』の重版だ。重版中に次の重版を検討するなんて…。
こうなったらやっぱり…。
「気合いじゃ~」
ってそれが『ハリーポッター』の大量売れ残りを生んだ原因だったりして。