WEB本の雑誌

4月18日(月)


 目黒、恵比寿、渋谷、青山と営業。

 05年本屋大賞作品の『夜のピクニック』恩田陸著(新潮社)の売れ行きを各書店さんで確認しているのだが、とても順調なようで、2年目のプレッシャーからやっと解放される。フゥー。

 おまけに今年は2位の『明日の記憶』荻原浩著(光文社)も売れているようで、良かった良かった。そういえば先週訪問した川口のS書店さんでは「中高年にはこちらがお薦め」というPOPが『明日の記憶』に立っていて、そうやって各書店さんの主観が入るのが、本来の目的だったりするのでうれしいかぎり。

 2年連続受賞の新潮社さんも今年は昨年のデータや実績があるので、商品の供給もやりやすそうだ。朝日新聞の広告はもちろん、業界誌『新文化』に掲載された広告も愛がこもっていて感動してしまった。ご協力ありがとうございます。

 さて、そろそろ自社本を売らないと、5月の新刊『清原なつの忘れ物BOX』の営業に勤しむ。しかしいつも営業している文芸書売場とは違う不慣れなコミック売場への営業に苦しむ。

 明日5刷り目があがってくる『千利休』や吉野朔実さんの作品は文芸売場で面倒みていただいたりしていたのだが、さすがに『清原なつの忘れ物BOX』は完全なコミック作品であり、そういう意味でいうと100%コミック売場に向けて営業するのは初めての経験だ。

 出版業界では他ジャンルの本を出す時に「新規参入」なんて言葉を使ったりするのだが、その言葉の意味を噛みしめる毎日。この業界、ほんとジャンルが違えば別商売…みたいな感じで、それこそ本の雑誌社30年の歴史も、僕の今までの営業実績もまったく役立たず、それよか逆に文芸書の版元というのが邪魔になったりして、悪戦苦闘、お店から出ると身もだえしてしまう。それこそ、名刺をいただけただけで嬉しい新入社員時代の気分を思い出し、そして日頃どれだけ甘えた営業をしていたかを思い知る。

 夕方までガッチリ営業すると、足も心もフラフラの状態に。でも、コミック売場に関していろいろ感じることが出来たり、それこそそんななかで暖かい対応をしていただいたりすると感動も大きかったりして、つらいなかにも喜びがいっぱい。

 さあ、頑張りましょうと自分に声をかけ、ルート最後の書店さんに向かう。