WEB本の雑誌

5月16日(月)

 待望の新刊『清原なつの忘れ物BOX』の事前注文〆切日。うう、今回は本当に苦労した。前にも書いたが、やはりジャンルが違えばまったく新規の営業をしているのと一緒なのだ。いろんなジャンルの本を出している出版社の営業マンは相当大変だ。というか僕が今までいかに甘えた環境にいたか実感している今日この頃。

 夜になって、全ての注文データと短冊の付け合わせ。間違いがないかチェックしつつ、助っ人学生のS君に話しかける。

「月にどれくらい本を買う?」
「えっ買うのですか?」

 妙に買うという言葉を強調したので、「何だよ買うのですかって?」と突っ込むと、こんな答えが返って来るではないか。

「いや~、まず読みたい本があったら、図書館に行きます。そこにあれば借りて読みますし、なければ古本屋さんを廻ります。安く見つけたときは飛び上がっちゃうほどウレシイっす。でそれでもなければ本屋さんに行きますね。もちろん単行本は買えないんで、文庫専門ですけど」

 ちなみにS君は自宅通いの大学4年生。几帳面さは現在の助っ人の中で図抜けている。

「ここに自由にできるお金が1万円あったとします。まず僕は絵が趣味なので、その道具に毎月5千円くらいかかるんです。残りが5000円ですね。CDを2、3枚借りて、そのなかでどうしても持っておきたいというものを買います。3~4千円かかりますね。残りが本に回すお金ですから、単行本は買えませんよね。文庫、2,3冊。まあ両親が本が大好きなんで、家に転がっているのを読めば済むんですが」

 そうかそうなのかぁ…。何だか今自分が手に持っている注文短冊の重みが、急に増した気がした。

 この業界に入ってすぐ、先輩から「俺たちは生活必需品を売っているんじゃなくて、嗜好品を売っているんだ、だから売れるのが当然なんて思うなよ」と言われたことを思いだす。しかもS君なような人から見たら、単行本なんてもう高級品を売っているのとほとんど変わらない意識を持たないといけないってことか。1冊の本に、1500円、2000円を出してもらうということはそういうことなんだ。

 そういえば最近売れているのは低価格の本が多く、500円本が書店さんの平台を占領していたりするし、500円DVDがバカ売れしていって店頭で話を聞いたのは先週のことだ。気づいてみたら本も低価格化しているようなんだけど、どうだろうか?

 いや、そんなことはさておき、とにかく単行本1冊売るってのは、本当に本当に大変なことなのだ。S君の言葉で深く実感する。うー、頑張るべ。