WEB本の雑誌

10月20日(木)

 夕方、編集の藤原が浮かない顔で近寄ってくる。
「杉江さん、土曜日なんですけど」

 さてはまたFC東京が負けるのが心配で不安で不安でしょうがないのだろう。ならばハッキリ教えてやろう。
「負けるに決まっている。お前らはJ2に落ちるのだ」
「そうじゃないんですよ。その大事な試合に行けなくなりそうなんですよ」

 聞けば今週土曜日東京ダービーがあるのだが、編集部は月に一度の出社日にあたるそうなのだ。仕事をしなきゃならないのはわかっているが、サッカーも見たい。藤原は悩んでいたのである。

「そんなの簡単だよ」
「そうですよね、やっぱりサラリーマンですからね」
 藤原は残念そうに財布からチケットを出し見つめた。

「そうじゃねーよ。行けば良いんだよ、俺らはサラリーマンである前に、サポーターなんだから、大事なもんを忘れちゃならん。浜本さんには事情を話して、休むか、抜け出させてもらえばいいじゃん。」
「そんなこと…」

 夜、その藤原からうれしそうなメールが届く。
「浜本さんがOKしてくれました。これで心おきなく応援できます。いやー良い会社に入りましたよ~」

 クソ~! 実はこちらは今週末のさいたまダービーが見られんのだよ。何せ編集長・椎名と一緒に浮き球△ベースをしに、仙台に行かなきゃならんのだから。くぅ。