11月14日(月)
営業を終えた書店さんから外に出ると、いつの間にか空は闇に包まれ、商店街の明かりのなかを小走りに駆けてしまう。辿り着いた駅の時計を観て、まだこんな時間だったのか? と気づかされる。
うまく営業出来なかった日は時間が過ぎるのが早い。それはため息ばかりで足取りが重いからか、気ばかり焦るせいなのか。結局たいして成果も上げられず会社に戻る電車のなかで、その日一日の営業を思い出す。あのときこんな話をしていたら展開は変わっていたかも、あるいは違う担当者に営業すべきだったのではそんな「もし」が浮かんでは消え浮かんでは消え、手にした読みかけの本は一向に進まない。
本を読むのを諦め、i-Podを取り出し、昔聴いていた歌を聴く。隣の家の兄ちゃんのように尊敬していたミュージシャンが「夢はあるか?」なんて叫んでいた。
上司がいるわけでもないから誰かに営業成績で怒られるなんてことはないし、数字を獲るだけが営業の仕事ではないのもわかっている。それでもやっぱり上手く営業出来なかったときには落ちこむし、戻った会社では、浜本や藤原や松村が真剣にパソコンに向かっていて、何だか僕ひとり役立たずな一日を送ったような気がしてしまう。
帰りの電車のなかでまたi-Podを取り出す。こんどはミュージシャンが「タフに、クールに生きろ」と叫んでいた。