WEB本の雑誌

2月15日(水)

 昨日訪問した元書店員、現古本屋店員のSさんは「気づくの3年遅かったよ、古本と新刊を一緒にやる本屋作りたいなあ。もちろんジャンルを特化してだけど」と呟いていた。

 その後向かった歴史時代書房・時代屋という時代小説&グッズ専門店の棚を見て、Sさんの想いがよくわかった。今の出版社が持っている在庫では、専門店といっても何だか薄っぺらいものになってしまうのだ。時代小説専門店ならあるべき本がすでに絶版品切れで、これではほとんど他の書店と変わりがない。もちろんこの時代屋はそこのヴィレッジヴァンガードさんの手法を取り入れグッズなどで補っているのだが。

 それは次にお会いした大型書店の店員さんの言葉でもわかる。フェアをやろうとしていろいろ発注してもその多くが品切れ・絶版で短冊が戻ってきてしまうそうだ。そうか、こんな状態だから書店員は経験職でなくなり、使い捨て状態になっていくのか。なぜなら数年前の知識が販売に役立たないのだから…。

 ってそれはまた別の話で、ならばもう新刊と古本を一緒に並べる本屋が出来てもいいんじゃないか? ミステリー専門店にミステリーの新刊と古本が一緒に並ぶ。あるいはあのジュンク堂池袋本店にもし古本も一緒に並び出したら、どれほどのボリュームになるのか? 図書館よりも図書館が、国会図書館?なんてことになるのでは。

 ムムム。ということは、もしかして逆もあり? 新古書店の例えばBOOK-OFFが、新刊も扱いだしたらどうなるんだ? 文庫とコミックだけでも、すごい影響が出るのではないか? 今や本屋さんのない地域(なくされた地域)にもBOOK-OFFがあるといわれるほどの出店数、いきなり最大手チェーンになったりして。しかも再販制がなくなったとしたら…。うーん、恐ろしい。

 ここまで考えて気づいたんだけど、新刊も古本も同等に扱うってことは、もうアマゾンがネット上でやっているわけで、あれのリアル化というのは不可能なんだろうか? 今、この場は単なるお客さんの視点で書いているだけなんだけど、これだけ在庫切れが多くなってしまった出版業界では、やはり新刊と古本が一緒に並ぶって、とても魅力的なお店だと思う。うーん。