2月20日(月)
『古道巡礼』高桑信一著(東京新聞出版局)に思い切りハマる。
古道というとなんとなく熊野古道に代表されるいわゆる巡礼の道を想像されると思うが、この『古道巡礼』はもっと生活の道、例えばゼンマイ採りの径や塩の径など、今じゃほとんど自然に溶け込んでしまった径を辿るノンフィクションである。野田さんが川を下る人なら、川を登る人である高桑さんの著作が好きなのだが、うーん、『古道巡礼』は最高かも。しかも最近、なぜか小説が読めなくなってしまい、こういう民族学のような本ばかりなのである。
ところがである。こういう本の感動を共有するのが難しい。小説だったらあの本読んだ? 面白かったよねなんてすぐに盛り上がれるのに、なかなか同好の士を見つけられずにいた。
でもやっぱり好きな本の話が出来ないなんて淋しいぞ。うーん、誰だ? 携帯のアドレス帳を眺めつつ思い出したのが、かつての助っ人学生・横溝青年で、彼は旅ものとか山ものとかの自然系ノンフィクションが好きだったんだ。
早速メールを打つと「僕も最近民俗学っぽい本にはまっているんで、読んでみますね」とうれしい返事。しかも「『凍』も良いけど山野井さんの自著『垂直の記憶―岩と雪の7章』山野井泰史著(山と溪谷社)と今月の『山と渓谷』も絶対読んで下さい」との別の本の情報も教えてくれた。
持つべきものは、本の趣味が合う仲間である。