7月31日(月)
最近、笹塚駅周辺に行くと、とたんに気分と機嫌が悪くなる。
なぜなんだろうかと悩んでいたのだが、その理由が本日判明する。なんと商店街にFC東京のフラッグが飾られているのだ。すべて奪い取って焼いてしまおうかと思ったが、もはやそこまでの相手でもないと気づき思いとどまる。
うう、早く会社をさいたまスタジアムのある浦和美園に引っ越しさせたいぞ。浜本よ! 浦和美園にはあんたの大好きなジャスコもあるぞ!
通勤読書は本の雑誌社唯一の福利厚生である誕生日プレゼント、図書カード5000円で購入した『四万十川(2)川行き』永澤正好(法政大学出版局)である。待ちに待った第2巻! 四万十川流域に住む97歳の翁の昔話とその語り口がたまらない…と書いても、こんな本を喜ぶのは本当に限られた人だろう。しかしそれこそが「本」というものの良さなのだ。
秋葉原の有隣堂さんへ。
このお店、まもなく開店から1年を迎えるわけだが、当初「秋葉原に普通の書店を作って」なんて批判を受けていたが、こうやって1年経ってみると、それで良かったんじゃないかと思えてくる。
それおは秋葉原はオタクだけがいる場所でなく、多くのビジネスマンが働く場所になっており、本日訪問した午後の時間帯はスーツを着たサラリーマンが大勢お店の棚やレジに並んでいた。もちろん普通であるだけでなくサブカルのフェアを組んだり、ガンダムの商品を並べたりして、この1年いわゆる秋葉原らしさも取り込みだし、近くにある書泉さんほど特化はせずに良い感じの融合が行われていると思う。相棒とおるは、まもなく秋葉原で働くことになるのだが、この有隣堂さんがあることをとても喜んでいた。
担当のIさんとお話。Iさんはたぶん僕より8つくらい年下なのだが、とても尊敬している書店員さんにひとりである。いやそれは書店員としてだけでなく、人としてもだ。
どんなときでも前向きでしかも謙虚。そういえばいつだか「本の雑誌」で書店員ガス抜き座談会なんてのを掲載し、今からでも遅くない、若い人は書店で働くのは辞めた方がいいなんて発言に対して、「僕らはもっと夢をもっている」と反論のメールをいただいたことがあった。確かにそうだと思った。
そのIさんは最近は小説を離れ、内田樹や加藤典洋を読んでいると話す。
「本当はもっと早く読んでいなきゃいけなかったと思うんですけど『僕が批評家になったわけ』(岩波書店)には感動しました。本に携わる僕らは読むべき1冊ですね。内田さんも含めて自分の見方をしっかり持った大人になりたいと思ってます」
僕はそんなIさんを見て、自分のスタンスを見直すのであった。