WEB本の雑誌

8月22日(火)

 新宿Y書店のNさんを訪問するなり「北上次郎の新刊いつでしたっけ? 出たらすぐ買いますからね」と声をかけられ感動。

 そのNさんが悩んでいるのが来月下旬に出る『新宿鮫9 狼花』(光文社)の仕入れ部数。前回の『新宿鮫7 灰夜』(光文社)から5年経っており、しかも今回は光文社さんなのに単行本で出るから、どう注文したらいいかわからないと頭を抱えている。(って毎日新聞の『風化水脈』をアマゾンで検索したら60%オフって何だ! あややバーゲンブック? こんなこともやられていたのか?!)

 5年振りということより、単行本というのがどう出るかだと思うけど、原リョウの『愚か者死すべし』があれだけ売れたんだからハードボイルドファンは結構しぶといのでは?自分も含めてなんですけどと話す。

 ノベルスという器を捨ててしまった大沢さんと違い、文庫という器を大切にしつづける佐伯泰英さん。こちらはなんとあれだけ売れているのに、未だに読者が増えているとかで、かつての25%増しで初回発注しているとか。そういえば綾瀬のY書店さんでも「最近は女性のファンがついてきたね。まだまだ伸びるんじゃない」なんて話されていたが、いやはや恐るべし佐伯泰英。

 その後とある書店さんではこんな話が。

「POSとか自動発注とかになって昔に較べたら仕事が楽になって、その分書店員として大切な考える部分に時間を使うはずなのに、それが出来てないんですよね。うーん。」

 確かにその考えた部分こそがリアル書店の強みであって、だからこそ書店さんはお客さんにとって発見の場になっていると思うのだが。

 そんな話と繋がっているのかわらからいけれど、歴史ある町の書店、経堂のK書店さんから8月いっぱいで閉店しますとの連絡が届き、ビックリしていたら、南青山のH書店さんの店頭にも「閉店のお知らせ」の張り紙が貼ってあるではないか。どちらも町に根付いたしっかりした町の書店さんだったので大ショック。やはりもうこれは努力とかでは、小さな書店さんは保たないということなんだろうか?

 そういえば『U-50』で今野書店さんを取材したとき今野さんは「別にネット21を勧めるわけでなく、どう考えてもこういう方法しか生き残る方法がないんですよ」なんて話していたっけ。

 先日地方小流通センターさんを訪問したとき川上社長は「アマゾンが売れてる売れてるといっても出版全体では下がっているんだからどうしようもない」なんて話していたけど、確かにそうだ。

 ネット書店さんのおかげで本は探しやすくなり、なかなか本の手に入りづらいところに住んでいた人にとっては相当なプラスになったはずだ。しかし現実にはそれがプラスとして乗るわけではなく、出版全体の売上はさがる一方。つうか、ネット書店がなかったら今頃出版業界はどんな世界になっていたんだろうか?

 うーん、こんなこと書きたかったわけじゃないのに、書きだしているうちにここ最近抱えていたもやもやが出てしまい、しかもどれも尻切れトンボで結論もない。スンマセンです。

 とりあえず本日最後に訪問したのは、有隣堂さん撤退後にオープンした青山ブックセンター六本木ヒルズ店。六本木店の尖った感じと違いいたって普通のお店だが、ここにはこういうお店が確かに合うだろう。ビジネス書とか売れるのでは? なんて考えつつお店を眺めていたが、このビルの外商を抑えたら結構な金額になると思うんだけど、それはどこが持っているんでしょうか。