WEB本の雑誌

10月30日(月)

 直行で『ONCE UPON A TIME』の見本出し。750グラムを12冊持つと9キロになるわけで、
これが重いのなんの。手提げ袋の取っ手がぶち切れそうになったので、胸に抱え、汗だくになって運ぶ。

 しかしこんな重さ。この本を著者椎名誠が世界中旅して歩いたときのバックパックの重さに較べたらなんてことないだろう。もしかしたらアナログカメラとレンズだけでこれくらいの重さになることもあるのではなかろうか。そしてそういう物を担いで、この本のなかに収録された美しく郷愁を誘う写真は撮られたわけだ。椎名誠の写真家生活の集大成。その意味の重さに較べたらほんと9キロなんて、なんてことない重さだ。

 午後3時地方小さんを廻って見本だし終了。いつもだったらここから数時間が1ヵ月の仕事のなかで唯一ゆとりのある時間になるのだが、今月はまだ『二人目の出産』安田ママ著があるわけで、とても気の抜ける状態でなく、新宿へ向かい、営業活動。

 肉体的にも精神的もフラフラになって夕刻会社に戻ると、トトロの森から顧問目黒が降りてきた。この浮世離れした生活をしている顧問と、こうやって疲れ切ったときに話すのは実は結構癒しになったりするから不思議だ。

 その目黒が言う。「杉江、お前の日記の、娘とサッカーに行った話すごい良かったぞ。単にうちの娘はカワイイみたいなのは誰にでも書けるし面白くないけど、サッカーと娘の間で自己が切り裂かれるのが良いんだよな。お前はどう思っているかわからないけど、娘とああやって過ごせる時間はほんと一瞬だから、ああいうのは書き残した方がいいぞ」

 うーむ。目黒にこの日記を誉められたのはこれで2回目(前回は父親の会社にいったときの父親と兄貴のやりとりを書いた会)なのだが、うれしいかぎり。ありがとうございます、と頭を垂れる。そういえばこの炎の営業日誌も6年目に突入したのか