担当=杉江松恋

楽しみどころがいっぱいの羽生飛鳥『歌人探偵定家 弐 百人一首推理抄』
2026年6月13日08:55

【今週はこれを読め! ミステリー編】

楽しみどころがいっぱいの羽生飛鳥『歌人探偵定家 弐 百人一首推理抄』
 これ、読む人によって感銘を受ける箇所が違う小説なんだろうな。  羽生飛鳥『歌人探偵定家 弐 百人一首推理抄』(東京創元社)は、二〇二四年に...
芦沢央の手の内を覗けるような作品集『あなたが正しくいられたとき』
2026年6月3日09:40

【今週はこれを読め! ミステリー編】

芦沢央の手の内を覗けるような作品集『あなたが正しくいられたとき』
 作家の手の内をあれこれ想像するのは楽しい。  芦沢央『あなたが正しくいられたとき』(文藝春秋)はノンシリーズの作品集なのだが、にもかかわら...
みっちり詰まった民俗学ミステリー〜黒木あるじ『おしら鬼秘譚』
2026年5月25日20:00

【今週はこれを読め! ミステリー編】

みっちり詰まった民俗学ミステリー〜黒木あるじ『おしら鬼秘譚』
 これは油断がならない小説だぞ、と46ページまで読んだところで呟いた。  黒木あるじ『おしら鬼秘譚』(KADOKAWA)の主人公は、南東北を...
最も妙なクリスマス・ミステリー〜小松立人『そして物語のおわりに』
2026年5月1日11:00

【今週はこれを読め! ミステリー編】

最も妙なクリスマス・ミステリー〜小松立人『そして物語のおわりに』
『そして物語のおわりに』は、今までに書かれた最も妙なクリスマス・ミステリーである。  そんなジャンルを正式に定義した人は寡聞にして知らないが...
山白朝子の「作家小説」短篇集〜『スコッパーの女』
2026年4月14日12:50

【今週はこれを読め! ミステリー編】

山白朝子の「作家小説」短篇集〜『スコッパーの女』
 作家という無限の暗闇を抱えた存在についての小説である。  山白朝子の最新短篇集『スコッパーの女』(KADOKAWA)の刊行を、私は心待ちに...
弱いけど強い〈俺〉と仲間がいい!〜服部倫『大阪ウェットランド』
2026年3月31日13:31

【今週はこれを読め! ミステリー編】

弱いけど強い〈俺〉と仲間がいい!〜服部倫『大阪ウェットランド』
 弱い。けど強い。  服部倫『大阪ウェットランド』(光文社)の〈俺〉こと椿恭志郎はそういう主人公である。職業はドラマーなのだけど、それほど売...
水生大海の連作集『私のせいではありません』に拍手!
2026年3月19日11:45

【今週はこれを読め! ミステリー編】

水生大海の連作集『私のせいではありません』に拍手!
 てこには力点と作用点、支点が要る。  ぐっと押すのが力点、作用点がぐっと持ち上がる。それを可能にするのが支点である。水生大海『私のせいでは...
毒舌老嬢と召使い少年の歴史ミステリー〜ロス・モンゴメリ『ハレー彗星の館の殺人』
2026年3月13日12:30

【今週はこれを読め! ミステリー編】

毒舌老嬢と召使い少年の歴史ミステリー〜ロス・モンゴメリ『ハレー彗星の館の殺人』
 科学的批判精神を持つ人間だけが真実を見極められる。  ロス・モンゴメリ『ハレー彗星の館の殺人』(村山美雪訳/角川文庫)は一九一〇年五月のイ...
後を引くデビュー短篇集〜エリーザ・ホーフェン『暗黒の瞬間』
2026年3月2日12:30

【今週はこれを読め! ミステリー編】

後を引くデビュー短篇集〜エリーザ・ホーフェン『暗黒の瞬間』
 そこかしこに穴が空いていたのに、気づかずその上を歩いてきてしまった。 歩き終えてから振り返り、陥穽の存在に気づいて慄然とする。 そんな読み...
もういない妹の人生を再発見していく物語〜ケリー・ギャレット『偽妹』
2026年2月13日21:25

【今週はこれを読め! ミステリー編】

もういない妹の人生を再発見していく物語〜ケリー・ギャレット『偽妹』
 読んでいくほどに印象が変わっていく小説だった。  本邦初紹介の作家、ケリー・ギャレットの『偽妹』(矢島真理訳/ハヤカワ・ミステリ文庫)は、...