林 あゆ美の<<書評>>
永遠の仔(1〜5) 【幻冬舎文庫】 天童荒太 定価\600(1.2)/\520(3)/\560(4)/\560(5) 2004/10 ISBN-4344405714 ISBN-4344405722 ISBN-4344405730 ISBN-4344405838 ISBN-4344405846
煙か土か食い物 【講談社文庫】 舞城王太郎 定価\580 2004/12 ISBN-406274936X
遊部(上下) 【講談社文庫】 梓沢要 定価\680 2004/12 ISBN-406274953X ISBN-4062749548
僕というベクトル(上下) 【光文社文庫】 白石文郎 定価\880 2004/12 ISBN-4334737811 ISBN-433473782X
どすこい。 【集英社文庫】 京極夏彦 定価\840 2004/11 ISBN-408747755X
柔らかな頬(上下) 【文春文庫】 桐野夏生 定価\620 2004/12 \590 ISBN-4167602067 ISBN-4167602075
評価:C 幼児失踪事件を軸に周りの大人たちの傷口に塩をぬるように物語は進行する。罪悪感に苦しむ母親の心情がそれはそれは細かく執拗にページを埋め、重い息苦しさは物語から消えない。歳月が流れても、母親だけは娘をあきらめず一人で探し続ける。娘はどこ、娘はどこ、と。当然、今までの生活はその日を境に一変する。変わらないのは、娘がいなくなったこと。その空白は年月を経ても埋まらない。絶望、空虚を情け容赦なく描いている。物語の現実は、終始一貫きびしく、事件は解決につながっていかない。読んでいる間中、長い長い、カスミ(母親)の悔いを聞かされているようだった。カスミは生まれ育った場所から18歳で家出し、職場恋愛で結婚。少しずつ自分の望んだ人生を構築しつつあったのが、娘の失踪でいっきに崩れる。そして崩れた人生をたてなおすために、今いる立ち位置から離れ、娘を捜しながら自分をほじくり返す。しんどい作業もまた、生きる業なのか。
さゆり(上下) 【文春文庫】 ア−サ−・ゴ−ルデン 定価\730 2004/12 ISBN-4167661845 ISBN-4167661853
ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月(上下) 【ヴィレッジブックス】 ヘレン・フィ−ルディング 定価\735 2004/12 ISBN-478972431X ISBN-4789724328
失われし書庫 【ハヤカワ・ミステリ文庫】 ジョン・ダニング 定価\945 2004/12 ISBN-4151704086
女神の天秤 【講談社文庫】 P・マーゴリン 定価\840 2004/12 ISBN-4062749408