雪屋のロッスさん いしいしんじ 【メディアファクトリー】 定価1165円(税込) 2006年2月 ISBN-4840114935
安徳天皇漂海記 宇月原晴明 【中央公論新社】 定価1995円(税込) 2006年2月 ISBN-4120037053
盗作(上下) 飯田譲治・梓河人 【講談社】 定価各1260円(税込) 2006年1月 ISBN-4062132923 ISBN-4062132931
忘れないと誓ったぼくがいた 平山瑞穂 【新潮社】 定価1470円(税込) 2006年2月 ISBN-4104722022
評価:★★★ なんとなくプロットを読んでいる感じがしたけれど、テーマにはとても共感した。 高校生のタカシが恋をしたあずさは、自分の意思に反して、存在が勝手に消えるという特異な体質の持ち主。この作品のすごいところは、死ぬこと以上につらい状況を描いたという点だ。姿だけでなく、周りの人々から自分にまつわる記憶も消えてしまうという設定が、とても目新しかった。 人間は生きた痕跡を残したがる生き物だと思う。だから、子どもを作ったりだとか、芸術家なら作品を残したりして、なんとか自分のことをより多くの人の記憶にとどめておこうとする。たとえ何も生み出さなくても、普通にしていれば家族や恋人など身近な人の記憶に面影を残すことはできるのに、それさえも許されないとしたら、たぶん死んでも死にきれない。 人間が「フェードアウト」していくという現象を、リアルに想像できなかったことが、ちょっと残念だった。消えていく感覚を圧倒的な力で信じさせてくれたなら、そのせつなさに泣けたかもしれない。
沖で待つ 絲山秋子 【文藝春秋】 定価1000円(税込) 2006年2月 ISBN-4163248501
包帯クラブ 天童荒太 【ちくまプリマー新書】 定価798円(税込) 2006年2月 ISBN-4480687319
デス博士の島その他の物語 ジーン・ウルフ 【国書刊行会】 定価2520円(税込) 2006年2月 ISBN-4336047367
ムンクを追え! エドワード・ドルニック 【光文社】 定価1785円(税込) 2006年1月 ISBN-4334961878
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