●担当者●中目黒ブックセンター 佐藤亜希子

2015年4月9日更新

『リライブ』法条遥

 外食をするとき、ここに載っている食べ物に不味いものはないと思いながらメニューを眺める。金銭のやり取りを前提として提供される以上、調理した方でも経営している方でも少なくとも誰かひとりはその料理を美味し... 記事を見る »
2015年3月12日更新

『怪奇文学大山脈Ⅱ』荒俣宏

 一世一代というにはあまりにも公言しまくっているし、親しくさせていただいている方たちからすればなにを今さらと鼻で笑われかねない告白をすると、東京創元社が好きだ。この横丁カフェでも東京創元社作品をどこか... 記事を見る »
2015年2月12日更新

『フォト・ストーリー 英国の幽霊伝説』シャーン・エヴァンズ

 新刊案内のFAXが送られてきた日からずっと、発売を心待ちにしていた。実物を手にしてもいないのに、次の「横丁カフェ」はこの本について書こうと固く心に誓った。面白くなかったら? 想像と全く違うものだった... 記事を見る »
2015年1月15日更新

『蜘蛛』遠藤周作

 新本を取り扱う書店員が力説することでもないが、古書店を物色するのは楽しい。休日の前夜、明日は丸一日神保町を練り歩こうと素晴らしい意気込みをもって眠りに就くも、目を覚ましてみると何故か陽がとっぷりと沈... 記事を見る »
2014年12月11日更新

『怪奇小説という題名の怪奇小説』都筑道夫

 気がつけばもう12月。シーザー(※『ジョジョの奇妙な冒険』第二部より)の追悼をしているうちに、2014年の終わりが見えてきてしまった。  過ぎ去っていく日々の中で、ふと立ち止まり、思いを過去へと馳せ... 記事を見る »
2014年11月13日更新

『名探偵カッレくん』アストリッド・リンドグレーン

 亡くなった祖母がまだ元気だった頃、かたっぱしからコミック誌を本屋さんに配達させるという、なかなかファンキーなことをしていたので、幼年時代は漫画に囲まれた生活を送っていた。我ながらなんとも贅沢な暮らし... 記事を見る »
2014年10月9日更新

『小野寺の弟・小野寺の姉』西田征史

 帯や裏表紙に書かれたあらすじの中でホラーや怪奇という言葉を見かけると、電灯の光に集まる虫のようにフラフラと引き寄せられていく人間だが、同じように、いや、もしかしたらそれ以上に、私の心を鷲掴みにし、ソ... 記事を見る »
2014年9月11日更新

『2013年のゲーム・キッズ』渡辺浩弐

 ショートショートが書ける人は天才だと常々思っている。  天下のウィキペディア様には、ショートショートとは"特に短い短編小説のこと。長さに規定はないが、一般的には原稿用紙10枚に満たない作品を指す"と... 記事を見る »
2014年8月14日更新

『どこの家にも怖いものはいる』三津田信三

 夏といえばホラーの季節。隙さえあればそういった系統の作品を並べているとはいえ、怖い作品を読んで内から涼しくなってもらおうという大義名分が立つのは素晴らしい。今年もどーんと大きく展開するぞー!と気持ち... 記事を見る »
2014年7月11日更新

『恋地獄』花房観音

 極度の飽き性のせいなのか、一途な想いというものに憧れる。恋でもいい。夢でもいい。叶おうと叶うまいと、変わらずに"なにか"を想い続けるということ。場合によっては狂気ともとれるその感情に焦がれている。 ... 記事を見る »
2014年6月12日更新

『白い部屋で月の歌を』朱川湊人

 先日、角川ホラー文庫の編集長とお話をさせていただく機会があった。角川ホラー文庫といったら黒いカバーのアレである。1993年の4月に創刊、以来ホラー好きの心を沸き立たせ、満たしてきた憎いアイツのことで... 記事を見る »
2014年5月8日更新

『夢幻紳士 怪奇篇』高橋葉介

"まるで映画を見ているようだ"という感想を小説や漫画などの感想でよく目にするけれど、そういった作品にあまり出会ったことがない。これは作品云々ではなく、私の想像力が主人に似て非常に怠け者であることに問題... 記事を見る »
中目黒ブックセンター 佐藤亜希子
中目黒ブックセンター 佐藤亜希子
自他共に認める熱しやすく冷めやすい鉄人間(メンタルの脆さは豆腐以下)。人でも遊びでも興味をもつとす ぐのめりこむものの、周囲が認知し始めた頃には飽きていることもしばしば。だが、何故か奈良と古代魚と怪奇小説への愛は冷めない。書店勤務も6年目にな り、音響専門学校を卒業してから職を転々としていた時期を思い返しては私も成長したもんだなと自画自賛する日々を送っている。もふもふしたものと チョコを与えておけば大体ご機嫌。