[前月号へ] [次月号へ]

2013年7月 シラス丼たじろぎ号 No.361

 会いたい人に会いに行けることこそ、出版社社員の役得なのだよ明智くん、と怪人赤マントは言った! おお、そうだった。よおし、会いたい人に会いに行こう! というわけで、本の雑誌7月号は「この人に会いたい!」特集。本誌浜本がガッツ石松と握手をしにいく突発インタビューから、宮里キャンドル潤が会いたい5人に会いに行くチャレンジ企画、浜田公子の新宿鮫を探して三千里に、編集者会いたい列伝、この登場人物に会いたい対談、会いたいけど会えない小説ガイドまで、会いたい人が勢揃いの特集なのだあ!

 新刊めったくたガイドは、矢口誠がアメリカ、スウェーデン、ドイツのイチオシ長篇三連発なら、佐久間文子は『幸福の遺伝子』にひそむパワーズの企みを堪能。大森望がSFの論理をぶっとばす『第四の館』をイチオシすれば、関口苑生は山田正紀の冒険活劇小説に大興奮! 間室道子が『さきちゃん』を救うちいさなものたちに希望をみれば、ハマザキカクは活字で世界のマイナー料理めぐり。そして北上次郎は世界一過酷なレースの恐るべき裏側に驚愕! さあ、おじさんは何にびっくりしたのか。詳細は46ページだ!

 そして今月は浜田真理子が初登場。松江在住のミュージシャンが商店街の本屋の思い出を弾き語るぞ。さらに噺家・柳家喬之助がプロフェッショナルの流儀で『しゃべれども しゃべれども』にのめり込めば、堀本裕樹は高校以来魅了されっぱなしの宮本輝の10冊をじっくり紹介。読者アンケートは5か月間の長期熟成を経て、ついに登場の「書き下ろし時代小説ベスト3」だ! 多肉が残っていよいよ佳境(?)の内澤洵子に、理想の書斎維持に努める荻原魚雷、D難度の大技をピタリと決めた宮田珠己と、連載陣も絶好調。梅雨の合間の洗濯日和にシーツぱたぱた。本の雑誌7月号を読みながら、洗い立てのシーツでうとうとリフレッシュして、夏にそなえよう!

目次

今月の一冊

商店街の本屋で 浜田真理子
新旧いろいろ面白本/大人の眼と足が捉えたアジア航路 椎名 誠
ひるね優先読書録 宮田珠己

特集:この人に会いたい!

ガッツ石松インタビュー/秘密のガッツワールドに潜入!
キャンドル潤のこの人に会いたい!
 水木しげる/大根 仁/中江有里/津野海太郎/杉作J太郎
実録・新宿鮫を探せ! 浜田公子
編集者会いたい列伝 新井久幸
書評家ドリーム対談/この登場人物に会いたい! 藤田香織vs吉田伸子
会いたいけど会えない小説ガイド 久田かおり

黒豚革の手帖/そして多肉が残った 内澤旬子
読者アンケート/私の書き下ろし時代小説ベスト3!
活字に溺れる者/理想の書斎について 荻原魚雷
プロフェッショナルの流儀/ツッコミを忘れてのめり込む! 柳家喬之助
トヨザキ社長の「寄らば斬る!」/古川日出男のメガトン級“世界文学” 豊﨑由美

新刊めったくたガイド

米、瑞、独のイチオシ三連発だ! 矢口 誠
パワーズの企みがひそむ『幸福の遺伝子』 佐久間文子
SFの論理をぶっとばす『第四の館』が面白い! 大森 望
山田正紀の冒険活劇小説に大興奮なのだ! 関口苑生
『さきちゃん』を救うちいさなものたち 間室道子
活字で世界マイナー料理めぐり ハマザキカク
世界一過酷なレースの恐るべき裏側 北上次郎

実力派ギリアン・フリンの目が離せないサスペンス 穂井田直美
注文と逆送品 大井潤太郎
作品と解説の素敵な対話 倉本さおり
南アフリカ作家の注目作『ZOO CITY』 山岸真
すぶ濡れ猫の写真集 浅生ハルミン
大阪四天王寺の青空古本市 水鏡子
「すばる」木下古栗のはたき込み! 榎本文昌
ミステリー小説に仕掛けられたぽこぽこ穴の謎 津田淳子

百歳までの読書術/老人演技 津野海太郎
坪内祐三の読書日記/敬ちゃんは安部公房に反対されたのか 坪内祐三
連続的SF話/一九九六年のガイドブック 鏡 明
南の話/書いて書いて書いて 青山 南
吉田伸子の「食えばわかる!」/出会いの冷やしゃぶバリエーション 吉田伸子
ベストセラー温故知新/りえとゴクミの砂時計 入江敦彦
日本SF戦後出版史/「SFは食えない」?の巻 高橋良平
非SF作家のSF 円城 塔
精神科病院の保護室に光をあてる本 風野春樹
マジックリアリズムの坂の上 池澤春菜
乱歩の弟が会った犯罪マニアの容疑者 柳下毅一郎
今月書いた人
今月本の雑誌に遊びに来た人
掲載図書索引

続・棒パン日常/引越と本 穂村 弘
三角窓口/武田伴兵衛リターンズの偏固ジャーナル 他
子どもの寝てる間に 古幡瑞穂

新・キムラ弁護士のありふれない一日/マインドコントロール6 木村晋介
歩く旅/台湾・高雄の旅 沢野ひとし
宮本輝の10冊/いつもいつも始まりばっかり 堀本裕樹
後記

[前月号へ] [次月号へ]