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2014年5月 カレーうどん緊迫号 No.371

 新潮社、早川書房、国書刊行会と行ったのに、どうしてこの出版社に行かないのだ! という全国3千万ジャンル小説ファンの声に応え、本の雑誌5月号は待望の東京創元社特集! おじさん三人組が冷蔵庫を開けまくる東京創元社探訪記から、元会長が記録する東京創元社の歴史に北村薫の「会話」、土俵を変えて登場のcoco「今日の帆掛さん」にシンポ教授の創元推理文庫クイズ10プラス1、ダイジマンの東京創元社お蔵入りSF本講義に早川書房編集部が選ぶ創元本ベスト3、うきうき東京創元社日記に読者が告白するここが好きここが嫌いまで、なんと33ページの大特集だ。さあ、どちらさんも「東京創元社に行こう!」

 新刊めったくたガイドは、矢口誠が読み応えたっぷり『凍氷』をすばらしい!とお勧めすれば、佐久間文子は"溝"を見せつけるエヴンソン『遁走状態』を(いやだー)と絶賛。大森望が新鋭・藤井太洋が放つ天下無敵のSFスペクタクルをグリグリ推せば、関口苑生は世界を反転させる連城マジックを堪能! 間室道子が躍動と静謐が交錯する中山可穂『愛の国』の第四弾を熱望すれば、ハマザキカクはご飯粒ブローチにミイラ服の『ばか手芸』の熱さにまいった。そして北上次郎は白河三兎の直球サッカー小説を一気読みだ! まさか、白河三兎がこういう小説を書くとは思ってもいなかった、とおじさんも仰天の傑作を読んでくれぃ!

 そして今月はアルパカ大好き内田剛が重松清の10冊はこれだ!と夫婦で登場すれば、吉野朔実は「どちらを読むか どちらも読むか」と二者択一? 内澤旬子が着せ替えの手帖で「お洒落紳士に学べ」ば、荻原魚雷は『中級作家入門』で松久先生に私淑中。穂村弘が○△□を一気読みなら、吉田伸子の「食えばわかる!」で、ムッシュは具だくさん味噌ラーメンをわしわし一気食い。桜は散っても本誌は満開。今月も面白さてんこ盛りで、消費税増税もぶっ飛ぶ春爛漫号なのだあ!

目次

今月の一冊

吉野朔実劇場/どちらを読むか どちらも読むか 吉野朔実
新旧いろいろ面白本/つげ義春の日常が見える「私の絵日記」 椎名 誠 

特集:東京創元社に行こう!

おじさん三人組、東京創元社に行く!
東京創元社の歴史─秋山さんのこと 戸川安宣 
会話 北村 薫  
今日の帆掛さん coco 
創元推理文庫クイズ10プラス1/再版まで三百年かかった作品は何か? 新保博久 
東京創元社お蔵入りSF本講義 代島正樹  
早川書房編集部が選ぶ わたしの東京創元社本ベスト3!井手聡司・小塚麻衣子・高塚菜月 
うきうき東京創元社日記! 神原佳史・桑野 崇・森 千穂  
読者アンケート/東京創元社のここが好き、ここが嫌い! 

着せ替えの手帖/お洒落紳士に学ぶ! 内澤旬子 
活字に溺れる者/『中級作家入門』はハンパない 荻原魚雷
トヨザキ社長の「寄らば斬る!」/『写字室の旅』での懐かしい再会 豊﨑由美

新刊めったくたガイド

読み応えたっぷり『凍氷』がすばらしい! 矢口 誠
“溝”を見せつけるエヴンソン『遁走状態』 佐久間文子
新鋭・藤井太洋が放つ天下無敵のSFスペクタクル 大森 望
世界を反転させる連城マジックを堪能! 関口苑生
躍動と静謐が交錯する中山可穂『愛の国』 間室道子
ご飯粒ブローチにミイラ服の『ばか手芸』が熱い! ハマザキカク
白河三兎の直球サッカー小説を一気読み! 北上次郎

壮大凄絶な歴史スパイ小説『Q』にびっくり仰天! 宇田川拓也
釈迦に説法は本意じゃないが 大井潤太郎
仕掛けを際立たせる細やかな解説 倉本さおり
フランスの新世紀SF登場!『オマル─導きの惑星─』 山岸真
へたっぴんの美学 浅生ハルミン
昭和三〇年代の忍法ブーム 水鏡子
古川木村紫式部の 「素首落とし」を見よ! 榎本文昌
半世紀前の紙「レザック66」の華麗なる復活! 津田淳子

ひるね優先読書録 宮田珠己 
坪内祐三の読書日記/麻生太郎は複数いると舛添要一は言う 坪内祐三
連続的SF話/「星新一賞」スタート! 鏡 明
南の話/八十歳になったら 青山 南
吉田伸子の「食えばわかる!」/働く母の具だくさん味噌ラーメン 吉田伸子
ベストセラー温故知新/辛口な意見が闘う知性のアリーナ 入江敦彦
日本SF戦後出版史/『SFエロチックス』と消える戦後の巻 高橋良平
折り紙の数学 円城 塔
サルと生きた少女の波瀾万丈の半生 風野春樹
『シャイニング・ガール』第二作を求む! 池澤春菜
防犯に役立つ?説教強盗・妻木の手記 柳下毅一郎
今月書いた人 
今月本の雑誌に遊びに来た人 
掲載図書索引 

続・棒パン日常/一気読み 穂村 弘
三角窓口/時代劇マニアに贈る本フェア勝手に開催! 他
子どもの寝てる間に 古幡瑞穂

新・キムラ弁護士のありふれない一日/責任 木村晋介
歩く旅ひとやすみ/町田はいい町 沢野ひとし
重松清の10冊/重松清は人生の師である! 内田 剛
後記 

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