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2016年10月 ついにきたぜ!の特大400号 No.400

 本の雑誌10月号は、ついにきたぜ!の特大400号! 創刊から41年かかって到達した前人未踏(うそだけど)の400号を寿ぐスぺシャル記念号だ。400号を記念して出版社から魔窟にサンヤツ、翻訳家に雑誌の付録、新潮社社食にオールタイム書皮、図書館に椎名誠、古本屋に雑誌編集長、書籍の帯に装丁家、文学賞に書店のトイレ、本文書体に文庫キャラクター、喫茶店に全集、そして書店と全20ジャンルの10傑、ベスト10を選ぶ大胆不敵な「なんでもベスト10!」に、おじさん三人組が新宿から信州諏訪まで、400号まで特にお世話になった人を表彰しに行く170kmロードルポ、そして土俵際の魔術師・青山南に本誌松村が原稿を落とさないコツを聞く400号記念インタビューと記念企画がてんこ盛り。おっと忘れちゃいけない、読者アンケートも400号記念で本や活字にまつわる「なんでもベスト1!」なのだ。ちなみに椎名誠のベスト10の第3位は「カツ丼を勝手に頼む」! さあ、いったいなにがベスト1か。ずずいーっと見ていっておくんなさい。 

 新刊めったくたガイドは酒井貞道が"一寸先は闇"の『悪徳小説家』が素晴らしい!と絶賛すれば、都甲幸治はスパークの魅力溢れる『あなたの自伝、お書きします』をイチオシ。大森望が世界最高にかっこいいエリスンの傑作選で本誌400号を寿げば、円堂都司昭は"カンポちゃん"が頑張る『あしたの君へ』で心ぽかぽか。沢田史郎が『君と夏が、鉄塔の上』は沢田史に残る快作である!と断言すれば、青木大輔は鳥類学者の名エッセイ『そもそも島に進化あり』を読んで笑って感動。そして北上次郎は森絵都『みかづき』を今年のベスト1!と大絶賛。2016年は本書を読むためにあったと言っても過言ではないと言い切るおじさんの言が過言ではないかどうか、あなたも確認しよう!

 今月の図書カート三万円使い放題!は原田マハが登場。神保町三省堂書店本店アートブック一気買いを目論みつつ購入した14冊はなにか? 100ページを注目! そして読み物作家ガイドは演劇集団キャラメルボックスの成井豊が梶尾真治の10冊を紹介。胸を打つ「愛と時間」の物語は152ページだ。さらに400号記念で鏡明の書斎が本邦初公開なら、連載389回目を迎えた「連続的SF話」も本棚迷宮。巻頭口絵と「連続的SF話」に共通するサイン本を発見してくれぃ! 
 今年3回目の特大号で読者のみなさまの負担も大だが(すまぬすまぬ)、編集部も青息吐息(涙)。はたして401号が出るのか予断を許さぬセプテンバーは、どちらさんも400号を祝ってくれぇ!

目次

本棚が見たい!

10月の本棚 サクラ書店ラスカ平塚店/10月の書斎 鏡明
400号スペシャル/おじさん三人組、表彰に行く! 
新旧いろいろ面白本/無敵なアウトローの沢登り 椎名 誠 

特集:400号スペシャル なんでもベスト10!

出版社10傑 坪内祐三 
魔窟のベスト10 北原尚彦 
サンヤツ10傑 渋谷茂 
翻訳家10傑 金子靖 
雑誌の付録10傑 伊野尾宏之 
新潮社社食のベスト10 橋本恭 
オールタイム書皮10傑 どむか 
図書館10傑 鎌倉幸子 
椎名誠のベスト10 目黒考二 
古本屋ベスト10 小山力也 
雑誌編集長ベスト10 藤脇邦夫 
書籍の帯ベスト10 マクシタテアン・オビスピエール 
装丁家10傑 津田淳子 
文学賞10傑 大森望 
書店のトイレベスト10 吉田茂治 
本文書体ベスト10 正木香子 
文庫キャラクターベスト10 内田剛 
喫茶店10傑 若菜晃子 
全集10傑 渡辺勝夫 
書店ベスト10 椎名誠 

ユーカリの木の蔭で/黒板の文字 北村 薫
一私小説書きの日乗/新起の章(二) 西村賢太 
図書カード三万円使い放題!/アートブック一気買い 原田マハ

新刊めったくたガイド

“一寸先は闇”の『悪徳小説家』が素晴らしい! 酒井貞道
スパークの魅力溢れる『あなたの自伝、お書きします』 都甲幸治
世界最高にかっこいいエリスンの傑作選 大森 望
“カンポちゃん”が頑張る『あしたの君へ』で心ぽかぽか 円堂都司昭
『君と夏が、鉄塔の上』は沢田史に残る快作である! 沢田史郎
読んで笑って感動する鳥類学者の名エッセイ 青木大輔
森絵都『みかづき』が今年のベスト1だ! 北上次郎

怪奇と推理が融合した『黒面の狐』にゾゾッ 宇田川拓也
フィクションの中のリアル 小野一光
東京−名古屋−京都 堀部篤史
『シャーロック・ホームズの宇宙戦争』が復刊! 山岸真
川のあるまちへ 秋葉直哉
趣味の手造り冊子『寿多袋』 彩古
地図の言い訳 今尾恵介
電話がきらい 栁下恭平

400号記念青山南インタビュー/五十音順なら負けない!
着せ替えの手帖/鴨田さんの本気 内澤旬子 
サバイバルな書物/飛行士と登山者 服部文祥
読者アンケート/私のなんでもベスト1! 
読む京都/京都的出版の源流 入江敦彦
坪内祐三の読書日記/加藤郁乎の昭和四十年の日記に神保町すずらん通りの「浅野屋」が登場する 坪内祐三
連続的SF話/本棚迷宮 鏡 明
南の話/眠る男との再会 青山 南
そばですよ/知らなかったよ。肉そばと肉じゃがは親戚だった。 平松洋子
鬼花──鬼刑事・花篤好美/嫌なジジイは素敵なジジイ 中場利一
「読む」を考えさせる本 円城 塔
偏愛がほとばしる柳瀬尚紀のエッセイ 風野春樹
ミステリー・ゾーンの記憶 若島 正
茫然と爆笑のオーディオ日記文学 矢口 誠
ホリイのゆるーく調査/岩波文庫〔緑〕の欠番を調べてみる 堀井憲一郎
歩く旅/竜江の夏の絵日記 沢野ひとし 
梶尾真治の10冊/胸を打つ「愛と時間」の物語 成井 豊 
掲載図書索引 

続・棒パン日常/電車の二人 穂村 弘
三角窓口/我ら「かんぷりボーイズ」は頭でっかちだあ! 他
本屋の帰り道 徳永圭子

今月書いた人 
今月本の雑誌に遊びに来た人
後記 

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