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2016年11月 どんどん焼回転号 No.401

 作家デビューの近道といえば今も昔もやっぱり新人賞! というわけで、本の雑誌11月号の特集は「めざせ新人賞!」。おじさん三人組が八時八分(末広がり)の新幹線に乗り、山形小説家(ライター)講座に潜入する弾丸ルポから、編集者による「新人作家とその担当編集者心得」にミステリー作家志望者へのメッセージ、小説講座も開講している作家・鈴木輝一郎が伝授する新人サバイバル術に新人賞を狙う人へのアドバイス座談会に新人賞歩留まり率調査、そして読んでおきたい期待の新人ブックガイドに読者の好きなデビュー作まで、新人賞をめざす人も新人作家が好きな人も読まなきゃ損!の30ページ。さあ、あなたもこれで作家デビューだ!?

 新刊めったくたガイドは酒井貞道が『ラスト・ウェイ・アウト』の物語迷宮に飲み込まれれば、都甲幸治は感覚を開く短編集『誰もいないホテルで』で心ふるふる。大森望がSF史上最高硬度の『エターナル・フレイム』に挑めと煽れば、円堂都司昭はこだわりの怪作『挑戦者たち』に挑戦。沢田史郎が下村敦史が描く目くるめく高峰にくらくらすれば、青木大輔は野に死んだカリスマ唐牛健太郎の生涯にぐらぐら。そして北上次郎は空飛ぶ侯爵・蜂須賀正氏のドードー研究にびっくり。歴史読み物が好きな人に超おすすめですぞ。

 そして今月は酒飲み書評家・栗下直也が登場。酔っぱらっても怖くない、偉人たちの泥酔本をへべれけ紹介すれば、元秘書の東えりかが北方謙三の10冊を知られざるエピソードとともに紹介。内澤旬子が五十男の色気に迫れば、青山南はオアハカ文芸事情に肉薄。堀井憲一郎が『流転の海』の読み出しベストタイミングを計れば、沢野ひとしは餃子検定準一級攻略講座にチャレンジ。鏡明も北京に飛んで、中国からメキシコまで、居留守も返り討ち! あやまりに文芸春秋社へ行ったのは誰かが気になる〆切本も載ってるよ、の本の雑誌11月号があれば神保町ブックフェスティバルも百倍楽しい秋なのだあ!

目次

本棚が見たい!

11月の本棚 はた書店/11月の書斎 新井素子
一私小説書きの日乗/新起の章(三) 西村賢太 
着せ替えの手帖/五十男の色気  内澤旬子 

特集:めざせ新人賞!

おじさん三人組、山形に行く!
新人作家とその担当編集者心得 新井久幸 
わくわくするミステリーよ、出てこい! 桂島浩輔 
新人賞の受賞だけでは足らない 鈴木輝一郎 
めざせ新人賞座談会/応募券を忘れるな! 大森 望・川田未穂・杉江松恋 
新人賞歩留まり率調査!
気になる新人賞一覧 
行成薫の熱量にやられた! 藤田香織 
この二作目がすごい! 若林 踏  
読者アンケート/このデビュー作が好きだ! 

サバイバルな書物/遭難漂流と佐良浜の漁師 服部文祥
ユーカリの木の蔭で/居留守の返り討ち 北村 薫
酒飲みブックガイド/偉人の泥酔時を見習え! 栗下直也

新刊めったくたガイド

『ラスト・ウェイ・アウト』の物語迷宮に飲まれる! 酒井貞道
感覚を開く短編集『誰もいないホテルで』 都甲幸治
SF史上最高硬度の『エターナル・フレイム』に挑め! 大森 望
こだわりの怪作『挑戦者たち』が楽しい! 円堂都司昭
下村敦史が描く目くるめく高峰を見よ! 沢田史郎
カリスマ野に死す 唐牛健太郎の生涯 青木大輔
空飛ぶ侯爵・蜂須賀正氏のドードー研究 北上次郎

幻の解剖書と猟奇殺人を追うスペイン・ミステリー 宇田川拓也
大久保清の通知表 小野一光
開店前のカオス 堀部篤史
日独勝利の1988年を描く改変世界SF 山岸真
八月三十一日 秋葉直哉
「ユーモアクラブ」とユーモア賞 彩古
駅の乗車人員ランキングを眺める 今尾恵介
美意識 栁下恭平

新旧いろいろ面白本/驚きにあふれた植物の話 椎名 誠 
そばですよ/ワインもビールも焼酎も。そばバル仕様で攻めてます。 平松洋子
読む京都/“よそさん”の書く玉虫色の京都 入江敦彦
坪内祐三の読書日記/某東急エージェンシーは宇能鴻一郎先生に使用料をお支払いしたのだろうか 坪内祐三
連続的SF話/北京の未来都市 鏡 明
南の話/オアハカ文芸事情 1 青山 南
日本SF戦後出版史/貴重な回想録とSF入門書の巻 高橋良平
プログラミングとロマン 円城 塔
内なる優生思想と向き合う本 風野春樹
記憶に残る『いつか聴いた歌』 若島 正
愛が溢れる言葉の奔流がいいぞ! 矢口 誠
ホリイのゆるーく調査/『流転の海』はいつ読み出せばいいのか 堀井憲一郎
歩く旅/餃子検定準一級攻略講座 沢野ひとし 
北方謙三の10冊/北方作品のターニングポイント 東 えりか 
掲載図書索引

続・棒パン日常/書名のある歌 穂村 弘
三角窓口/もっぺん書くけど、業界内幕ものは面白い! 他
本屋の帰り道 徳永圭子

今月書いた人 
今月本の雑誌に遊びに来た人
後記 

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