●担当者●紀伊國屋書店仙台店 山口晋作

2010年4月16日更新

『ナニカアル』桐野夏生

私は「サヨナラだけが人生だ」という言葉が大好きです。文字通りの意味に受け取ってもそうだよなぁと思うし、逆に「サヨナラだけが人生ならば また来る春はなんだろう」と唄うカルメン・マキの歌声も心に沁みる。太... 記事を見る »
2010年3月19日更新

『吉原花魁日記』森光子

毎月、翌月に発売される文庫の一覧というものが貰えるので、仕事というよりは読者として眺めるようにしています。まず新潮文庫をチェックし、講談社から十二国記が発売されないことを確認し、そのあとは出版社の名前... 記事を見る »
2010年2月19日更新

『競馬の終わり』杉山俊彦

実際に店頭で感じているライブな気分で本を紹介したいのですが、私のライブな気分では2009年はあまりよい作品に出会えなかった一年でした。そこで年末に発行された、2009年のランキングを紹介している雑誌を... 記事を見る »
2010年1月22日更新

『さびしい王様』北杜夫

12月は書店にとって忙しい月です。そのせいかあまり本を読めず、 当欄に紹介する本がなかなか思い当たりませんでした。仕方なく小さな本棚を左上から見ていって、そうだケストナーの「飛ぶ教室」にしよう、あれを... 記事を見る »
2009年12月17日更新

『貧困旅行記』つげ義春

 「深夜特急」という本がなければ、自分の生き方も随分と変わっていただろうと思うのですが、旅行記というものはおもしろくて、店頭にあるとつい手が出てしまいます。もちろん自己満足の域を出ないようなものはおも... 記事を見る »
2009年11月19日更新

『安徳天皇漂海記』宇月原晴明

若いときには速い球を投げ込めていたピッチャーが、力で打者を抑え込めなくなってくる。しかし、コントロールや変化球、投球術は磨かれるので、技巧的に打ち取れるようになる。というのはよく聞く話で、トータルでプ... 記事を見る »
2009年10月15日更新

『質問』田中未知

不幸なですが、同じ本を二冊買ってしまったことがあるという人はきっと多いと思います。店頭で面白そうだなと思って購入→思ったほど面白くない→面白くないものにお金を使ったとは業腹である、早く忘れよう→はい忘... 記事を見る »
2009年9月17日更新

『ぼくと1ルピーの神様』ヴィカス・スワラップ

「人は幸せになるために生きている。幸せになれそうもないなら、生きている意味はない」と短絡的に考え、早めに人生を諦めてしまう人のニュースを見ることがあります。この考え方は直感的に間違っていると判断できる... 記事を見る »
2009年8月20日更新

『アシモフの雑学コレクション』アイザック・アシモフ

『アシモフの雑学コレクション』は愉快な雑学集です。 『鷲は亀を岩に落下させ、甲羅を割って食べる。ギリシャ時代の劇作家アイスキュロスは、岩とまちがえられ、頭に亀を命中させられて死んだと伝えられる。』『ア... 記事を見る »
2009年7月16日更新

『宇宙創成』サイモン・シン

宇宙はどうやってはじまったのか、始まりの前には何があったのか。宇宙の果てはどうなっているのか、果ての向こうにはなにがあるのか、というのは、きっと誰もが幼い頃に一度は抱いたことのある疑問だと思います。 ... 記事を見る »
2009年6月18日更新

『鉄塔 武蔵野線』銀林みのる

本屋で働いていると、なお一層感じるのですが、「鉄道」がブームのようですね。JTB時刻表通巻1000号は驚くほど売れましたし、紀行文、旅行ガイドから写真集、マンガまで出版点数はかなり多くなっているようで... 記事を見る »
2009年5月21日更新

『聖の青春』大崎善生

私は将棋のルールを知らずに生きてきました。もちろん、うちの店にもテレビや新聞にも将棋のコーナーはありますし、ストリートで打っている人を見たこともあるのですが、ルールを知らない以上はクリケットと同じく、... 記事を見る »
紀伊國屋書店仙台店 山口晋作
紀伊國屋書店仙台店 山口晋作
1981年長野県諏訪市生まれ。アマノジャクな自分が、なんとかやってこれたのは本のおかげかなと思いこんで、本を売る人になりました。はじめの3年間は新宿で雑誌を売り、次の1年は仙台でビジネス書をやり、今は仕入れを担当しています。この仕事のいいところは、まったく興味のない本を手に取らざるをえないこと、そしてその面白さに気づいてしまうことだと思っています。