2月12日(火)
先週、飯田橋・深夜プラス1の浅沼さんを訪問したら、インチキな関西弁で話しかけられた。「どうしたんですか?」と聞くと、「この本を読んだら関西弁が抜けへんねん。」と。
その本というのが、黒川博行著『疫病神』(新潮文庫)と『国境』(講談社)である。現在、深夜プラス1のイチ押し書籍で、ドーンと黒川博行全著作を平積みしているではないか。浅沼さんは本気で気に入ると一気に仕掛けるタイプで『極大射程』のS・ハンターも発売されて早々イチ押しにし、深夜プラス1名物のポップを立て、全点平積みにした。いや、いまだに平積みし続けている。僕にとっての読書の師匠浅沼さんがそこまで言うなら読まないわけにはいかないと、とりあえず『疫病神』を読み始めた。
これが、これが面白くて止まらない。建設コンサルタントと現役ヤクザのコンビが、産廃事業を相手に一儲けを企むが、これがもう藪を踏んだら蛇、いや虎からライオンから象からとんでもない物が出まくり、怒濤の急展開。関西弁の会話は、中場さんの『岸和田少年愚連隊』並にテンポが良く、皮肉と笑いが渾然一体としていて最高だ。不眠不休という意味では、フロストなみに忙しいし、どんどん、どつぼにはまっていく様は、『邪魔』や『最悪』に通じるところがあるか。
そのなかでも特にイチ押しなのだ、本の雑誌2月号で熊さんがベスト極道賞を与えたヤクザ・桑原の人物造形。僕と浅沼さんで早速「桑原ファン倶楽部」を創設しようと心に決める。
『疫病神』を一気に読み終え、昨夜は明け方3時ま同シリーズの続編『国境』を読破。
それにしても中場さんといい、この黒川さんといい、関西作家のバイタリティーは凄まじいとしか言いようがない。笑えて泣けて、それでいてしっかり骨太。本日は黒川さんの残りの著作を全部買い漁り家路につく。これでしばらくインチキな関西弁が抜けないだろう。これは営業中によほど気をつけないと困ったことになりそうだ。