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3月3日(日)「炎のサッカー日誌 2002.01」

 待ちに待ったJリーグの開幕戦なのに、僕は野暮用で見に行くことができない。こんな野暮用で観戦をあきらめるようになるなんて、ほんと僕は大人になってしまったんだと悲しみで一杯になる。

 先週いつも一緒に観戦しているK社のOさんから電話をもらい、
「実は行けないんですよ、用事があって」と話したところ
「なに?杉江さん、そんなときこそ行くもんでしょ!」と見下されてしまったのだ。
 うーん、悲しい。

 しかし、テレビで観戦した限り、試合内容の方が悲しかった。何度も何度もテレビのリモコンを敷いておいた布団に投げつけ、枕を蹴飛ばした。何が気に入らないって、とにかくFW以外、誰も攻める気がないことがどうにも我慢できない。パスを渡したら、そいつを追い越して前にいく。それによって数的優位が作れるんじゃないか。なぜに選手はピッチに立っているのか? ゴールを決めるため、そして勝つためじゃないのか!と奥歯を噛みしめながらテレビを見つめた。そこには去年とほとんど同じ流れのレッズが映っていた。生観戦していないので、強く言えないが…。

 今年から我が浦和レッズは元日本代表監督オフトが指揮している。そう報道されたとき僕は激しく落胆した。別に僕はオフトに恨みがあるとか、何か嫌悪感を抱いているというわけではない。実績で言えば過去浦和レッズを指揮してきた歴代監督の中で1、2を争う実績を持っているのであろうし、代表監督も含め、いくつかのJチームで手腕を振るい日本での経験もあるのだろう。でも正直ガックリした。

 ドーハの悲劇で日本中が悲しみを味わった94米W杯アジア予選。その最中、スモールフィールド、アイコンタクト、トライアングルと新聞誌上あるいはテレビで連呼されたその指導スタイルはどれもこれもサッカーの基本だ。もちろんそのとき日本ではその基本が出来ていなかったのだからオフトの指導は正しかったと思う。

 代表監督のスタイルは、そのままその国のクラブサッカーへ消化される。現在代表監督のトルシエが薦める「フラット3」を現在模倣し、そして改良しているJクラブも多い。そしてそれはJリーグに留まらず、僕らアマチュアがやるへっぽこサッカーにも影響を与える。試合前「バックはフラットでコンパクトにね!」なんて口だけは立派に話していたりするもので、オフトが代表監督だった頃、僕らは「アイコンタクト」などという言葉を連発し、プレイしてきたのである。それほど代表チームの戦術は影響力があるのだ。

 しかしオフトが日本代表監督をしてから約10年の月日が経っているのだ。もちろんオフト自身にその間の上積みはあるだろう。けれど、浦和レッズが一番彼に期待しているのは、その基本の導入と約束事の徹底だという。

 ならばこの9年は何だったのか? 朝から並び、夏は汗をダラダラ流し、冬場は凍えるほど冷え込む。そんななか試合が始めれば、声が枯れ、ノドが切れるまで応援して来たこれまでの9年間は、何のためにあったのか? オフトの就任=浦和レッズがこの9年間の過ちを認めてしまったとして理解し、そして激しく落胆したのだ。浦和レッズには今までオフトが提言する基本すらなかったのかと…。まあ、それでも過ちを認めずに続けられるのよりマシだけれど。

 そんなオフトを雇ってでも我が浦和レッズは基本を徹底し、再出発するしかないのだ…。ならばサポーターも我慢するしかないのであろう。オフト自身も今年は7位が目標だと言っているらしいし、長期的なビジョンで指導していくとも話しているらしい。

 開幕前に7位目標!というチームを僕はどう応援して良いのかよくわからない。テレビを見ながらこれでも我慢しなきゃいけないの?と首を傾げ、そしてその先に本当に優勝があるの?と思わず疑ってしまう。結局いつも通り信じるしかないのか…。またもや苦行の一年が始まったのである。