WEB本の雑誌

3月27日(水)

 不意の再会ほど驚くことはないし、またその相手が常々どうしているか気になっていた相手なら、これほど喜ばしいこともない。そんな幸運な瞬間が、本日の営業で訪れた。

 それは吉祥寺のP書店さんを訪問したときのことだった。文芸担当のNさんがお休みだったため、ぶらぶらと棚を徘徊していた。そして文庫の棚に辿り着いたときだった。作業をしている書店員さんにそっと会釈をしようかと思ったが、その棚の差し方に見覚えがあった。本の持ち方というか、棚への入れ方というか、そういうものに書店員さんの癖がでる。

 あれ?と考えていたら、その書店員さんが顔を上げた。その顔を確認し、僕は息を飲んだ。なんと目の前にいる書店員さんが、かつて笹塚K書店にいたTさんだったのだ。そう、本の雑誌にも一度登場願った「オレ棚」のTさんである。思わず迷惑を顧みず、大きな声で呼びかけてしまった。

「いや~、本の雑誌社に直接挨拶に伺おうと思っていたんですよ」
で始まった再会の言葉。結局そのままこの間の空白を埋めるかのように30分近くも喋り通してしまった。Tさん、いろいろな業界へ転職を繰り返したもののどうもしっくり来なかったとのことで、最終的に一番大好きな本の世界へ逆戻りしてしまったと笑う。僕はとにかくTさんに再会できたことがうれしくて、「もう辞めないで下さい」と釘を刺す。これからまたTさんの棚が見られるのかと考えただけで楽しくなってしまった。

「期待してますよ」と声をかけると
「まだ、入って間もないので難しいですけど、徐々に面白いフェアやなんか組んで行こうと思ってます」とその意気込みを語ってくれた。

 Tさんとお会い出来なくなって以来の2年間。仕事を辞めなくて良かったなあとしみじみ感じた。あとは、同じ笹塚店にいらっしゃって、今は本部で仕事をされているSさんが売場に戻って来てくれる日を、ただただ祈るばかり。